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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

家具の発注

だいぶ前からほしいと思っていた、小さめの食卓を発注した。今は、210 ×120 cm の巨大テーブルをあらゆる作業に使っているので、事務仕事(というか電話とチャット)が増えてきたハリルのデスクと、食卓を分けようというわけだ。おまけに、わたしのミシン用デスクと、物置部屋(別名:アトリエ)に置くキャビネットも注文した。

家具職人の店

これまで木製の家具はすべて親戚のワハブに発注していたのだが、今回は MDF「中密度繊維版(medium density fiberboard)」という素材を使って作ることにした。日本ではすでに一般的に使われている材料だが、クミシュテペでは最近流行り始めたばかりなのだ。もちろん、手製の木製家具の方がこの手作りの家には似合うと思うけれど、最近ワハブは仕事がいっぱいで当てにならないので、MDFは木材より手に入りやすいし、安価なので試してみようということになったのだった。
 
職人の工房

しかし心配なのは、彼の腕だ。彼が作ったものを見たことがないし、工房に置いてあった靴箱は、こういうのだった。


ハリルは、靴箱は余った素材で作ったものだとか、彼はいい奴だとか擁護していたけれど、デスク2台、キャビネット2台、テーブル1台、それから家中の壁につける棚板をたくさん、一度に発注して、納品が一週間後と言われたら心配にもなるだろう。おそらく納品は遅れるだろうけれど、期待と不安が入り混じっている(いつもどおり)。
しかしどんなものが納品されようと、きっと十分使えるし、人生思い通りにならないのが当たり前、失敗して直していくのが当然なので、なんでも喜んで受け入れようじゃないか! いつのまにか、わたしの寛容性は増しているようである。というか、無駄な心配性になっている。

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セロリの煮込みなど

予定どおり、セロリの煮込みができあがった。ハリルが丹精込めて(?)育てた羊の肉が入っている。








煮込みを大事に小分けにして、冷凍しておいた。クミシュテペで「フリーザーバッグ」というと、この薄いビニール袋なのだが、うちは作り置きをよくするので、いつも袋を使い捨てていて気になっている。何度も使えるプラスチックの保存容器は一般的ではないので、日本で調達した方がよさそうだ。

コリアンダーソースをキューブ状に凍らせて、これも袋に入れて再冷凍


今年初めてのラブー(ビート)も買った。たっぷりの湯の中で一時間以上、柔らかくなるまで茹でて、皮を剥いたらまた湯に戻しておく。朝食の際に温めて、そのまま食べる。




市場と仕込み

今週は、買いすぎを防ぐためにハリルの市場での買物についていった。果物はザクロだけを買い、1メートルくらいの長さがありそうなセロリとこどもの頭くらいの大きさのカリフラワーを買った。サブジは、先週ダメにしてしまったコリアンダーだけをたくさん買った。

コリアンダー!

こちらはソースの材料



大量のハーブも、加熱するとかなりかさが減ってしまう。これはゴルメサブジとセロリの煮込みに使うことにした。セロリの煮込みは、羊とサブジと煮込むペルシャ料理だ。

セロリ1束分と加熱済みのサブジ


根気よくセロリを炒めて、サブジを加えてさらに炒めた。これを作っておくと、煮込み料理が楽になる。明日は鍋いっぱいに煮込みを作り置きする予定。

カリフラワー1個分!

次に、大きなカリフラワーをまるごと使って、ポタージュの素を作った。炒めて、煮て、潰して、塩をして、あとは温めながら牛乳で溶くだけの状態にして、冷凍しておく。


おまけに羊の挽肉も準備

明日はセロリの煮込み、あさってはゴルメサブジを大量に煮れば、一週間を楽に乗り切ることができそうだ。作るのが二人分だと、食事のために毎日何時間も料理することがもったいない気がするので、こうして週に一度だけ、がんばって仕込んでいる。

キティの不調

四日前、猫のキティの具合が悪いことに気がついた。庭に設置した猫ハウスにひとりでじっと座っていて、そこから出てきたと思ったら大きな声で鳴き始めたからだ。それが異常な鳴き方だったので、しばらくして家の中に置いて様子を見ることにした。

家に入ると、キティはふらふらしながら斜め右方向に向かい、壁に沿って様子をうかがっているように見えた。そのときは他の猫がいるかどうか気にしているのかと思ったのだが、どうやら身体的に不調があって、まっすぐ歩けなかったようだ。二日目に気がついたのは、右目の瞳孔が開ききっているということだった。歩こうとすると、ダダダッとバランスを崩して倒れてしまう。片目が見えないのだろうと思った。
脳梗塞でも起こしているのか? このまま失明してしまったり、体が不随になってしまったりするのだろうか? わたしはそんな最悪の場合を考えて、心配していた。しかしハリルは、キティを家の中に入れた時点ですぐに、彼女を撫でながら涙を流していた。まだ何があったか分からないというのに、もう死ぬとでも思っているのか? と、鼻水まで垂らしているハリルを見てちょっと呆れてしまったのだが、後で聞いたら、キティの痛みを想像して悲しかったようだ。自分が車にはねられたときのことを思い出していたのかもしれない。
キティは昏々と眠り続け、ときどき起きてはフラフラと歩いて、倒れていた。しかし食欲はあって、肉を口に持っていってやると食べていた。食べたことで、死はとりあえず遠ざかったろうと思ったけれど、不安そうに鳴くキティを見ているとやはり心配になった。キティはプライドが高く、ほかの猫を近寄らせない性格なのだが、なぜかサーリジャだけは好きなようで、彼を見ると自分からすり寄っていく。

 

できるだけサーリジャをそばに置いてやったけれど、彼はあまりキティのことを気にしていないようだった。
具合が悪くなってから5日目の今日、キティの右目の瞳孔は少し閉じ始めた。それと同時に、歩きも少しだけ安定に近づいたようだ。トイレも自分で外に出ようとするようになったし、このまま快方に向かうと信じている。
キティの病状についてインターネットで色々と調べたけれど、結局手がかりは見つからなかった。あるホームページでは、獣医さんが待ち構えていて、チャットで症状を伝えて相談に乗ってくれるというのがあった。尋ね始めたら、突然「デポジットを払ってください(二千円くらい)」と出たのでよくよく考えて、やめた。しまいには「近くの獣医さんに見せてください」と言われるような気がしたからだ。インターネットで人間や動物の病気の治療法を検索すると、ほとんどが「早く医者へ!」という結論なので、まったく役に立たない。猫の場合は「保温して」「休ませて」「食べさせる」、結局はそれがうちでできる一番の手当てのようだ。

ガラジャ

今日は絨毯のほかにも、いいことがあった。日本への一時帰国から戻ったらいなくなっていたガラジャが、庭に来たのだ。

ガラジャは、子猫のときからうちで育っている雄猫で、去年の冬は毎晩家の中でおとなしく過ごしていた。すっかりなじんでいたはずなのに、姿が見えなくなったのでさみしく思っていたのだが、雄猫は親元から離れる習性があると読んでいたから、きっとどこかで元気にしているだろうと信じていた。実際、そのとおりだったようだ。ハリルに見せるために家の中に入れたけれど、ガラジャはすぐに窓に飛び乗って外に出たそうにし、外に出したらやはり一目散に逃げていった。もう戻ってこないかもしれないが、元気な姿を見せてくれたのでうれしい。
ナバット
話は変わって、先日クリスタルの砂糖をいただいた。先の宗教的な祝日にマシャッドという町にお参りした人のおみやげだそうだ。プラスチックのストローのようなものに砂糖が棒状に結晶化している。お茶に入れて溶かして飲むと、あまくてとてもおいしい。

トルクメン絨毯

ペルシャ絨毯は日本でも有名だけれど、トルクメンの絨毯も世界的にはよく知られている。その特徴は、鮮やかな赤い色と、緻密に織られた幾何学模様だろう。


この小さな絨毯は古いものだが状態がよく、家で使うために買った。クミシュテペにはいくつもの絨毯屋があって、その中でも一番の老舗、ハリルのいとこの店で手に入れた。店主はトルクメンサハラの町で開かれるあらゆる市場を回っているので、すてきなのがあったら買ってほしいと頼んでおいたのだ。

細長いこれも、古いトルクメンの絨毯


手前の二枚は、百年も前のものだと店主は言っていた。最近織られたものとは素材も違い、使われている糸の色数も多い。


今日手に入れた4枚を床のあちこちに敷いてみて、楽しんでいる。近所の家に行くと、まったく隙間がないように絨毯を敷き詰めている家がほとんどなので、うちもまだまだ隙間を埋められるだろう。絨毯を敷けば、その下のカーペットも汚れにくくなるので、もうカーペットの洗濯をしなくていいかも!


細長いのは、玄関前にはサイズが合っていないので、いずれ二階の廊下に敷くつもりだ。そういえば少し前に、二階のサロンに敷くための古いキリムも買っていたのだった。


かなり古いもので、表面は色がほとんど褪せていた。裏返ってみえる濃い色の面が、裏面だ。特徴的なトルクメンの色や模様は健在なので、敷くのを楽しみにしている。

カーペットを洗う

先日降った二日連続の雨で、ようやく飲み水にする雨水を溜めることができた。今年は初夏に雨を溜めることに失敗したために、半年間水道の水を飲んでいたのだが、やはり、雨水の味は格別だ。お茶はもちろんのこと、お米を洗って置いておくだけでも香りがしてくるほど、水の質は違うのだった。
 

そして夏が終わるぎりぎりのところで、最後のカーペット(コンクリの床に敷き詰める化繊のもの)を洗って干した。写真のは一番大きいものだが、これを含めて五十平米以上のカーペットをわたし一人で洗って乾かした。

水切りしているところ

コンクリートの水槽の上で洗うのだが、幅が2メートルちょっとしかないので、適当に巻きながらゴシゴシ洗う。水に濡れるとカーペットは重くなって大変だ。もう今後一切洗いたくない気持ちだが、そうもいかないだろうから、大きなものは小さく切って扱いやすくしようと思っている。
残る作業はペンキ塗り。夏の宿題が終わらなかったけれど、ペンキ塗りは二階の部屋の中でしているので、そのうちに仕上げたいと思う。それが終わったらいよいよ刺繍作品の製作に取りかかることができる。いや、刺繍はもう始めなくては! いつのまにか10月半ばだ!

プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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