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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

クミシュテペに戻る

一時帰国していた日本から、クミシュテペに戻った。わたしは五週間、ハリルは二週間の滞在だったが、ハリルは最初の、わたしは最後の一週間にひどい風邪をひいてしまい、不完全燃焼の感は拭えない。それでも二日近くかかる帰途に無事着いた。
戻ってみると、自宅の庭に草が高く茂っていた。母屋からトイレに向かう小道の両脇が、ジャングルのようになっている。ハリルが植えた果樹もほとんどが芽を吹き、葉が育っている。

自宅玄関を出たところでパチリ

しかし二十数羽いたニワトリは、十羽以下に減っていた。十五羽死んだとナーセルの奥さんが言っていたが、たった二週間でどうしたらそんなに死ぬのだろう。薬代わりのたまねぎをやらなかったんじゃないだろうか。


茂みの陰では、チーちゃんと子猫が昼寝をしている。チーちゃんは4匹、タイちゃんは3匹に、変わらず授乳していたようだ。二匹とも二回目の妊娠はしていないし、まだ子猫たちをそばに置いて面倒を見ている。

子猫たち

チーちゃん

ロミ夫

猫はチーちゃん、ロミ夫、タイちゃん、サーリジャ、キティと子猫7匹を確認した。不在なのは、ガラジャとお隣のアークジャ。こちらに戻って四日が経つが、まだ姿を現わさない。

ジャポンと隣の家の犬

犬はジャポン、バグティ、タロー&ジローの4匹は健在だった。しかし犬も猫も、心持ち毛並みが悪いように見える。猫たちはみな、雌のライオンのようにスリムになり、顔もほっそりしている。
南庭の犬や猫も元気だそうだ。猫たちは出産したらしく、近いうちに見に行くつもりだが、何十匹になっているのか考えるのも恐ろしい。しかし賑やかでポンコツな生活がまた始まる。

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出発

子猫と母猫(チーちゃん・タイちゃん)を庭に出した翌朝、子猫7匹はきちんと小屋の中で寝ていた。 しかしお昼前に見に行ったところ、子猫は6匹しかいなかった。まさか、犬が噛んだか? と思い探し回ったけれど、ボディーはなかった。第一に、母猫2匹が見守っている中、犬が手を出すことは難しいし、そういった騒ぎも聞いていない。雄猫がどこかへ連れていったか? それも、母猫の前では無理だろう。しかし母親と言っても猫には隙がある。万が一、の可能性はあるだろう。チーちゃんは子猫が足りないことに気づいたのか、なにかを訴えているし、タイちゃんは家の中に入って、子猫がいたあたりを探し回っている。しかしおそらくは、小屋にはガラクタが置いてあるので、その下にでも潜り込んで眠っているに違いないとわたしは思った。実際、子猫が行方不明の場合のほとんどは、冷蔵庫の裏などの見えないところで眠りこけているのだ。
そして昼前に出てきたかと思って小屋を見に行ったら、今度は子猫が5匹になっていた。この時点でわたしは気がついた。犯人は…

 
タイちゃん

タイちゃんが子猫をどこか別の場所へ移したのだと思う。そのあと、子猫はついに4匹になっていた。家の中からタイちゃんの動きを観察していたら、お向かいのアーフンの家の方へ向かっていたので、おそらく彼の家の小屋に子猫をかくまったのだろう。ちゃんと自分のこどもを3匹連れていった。もう1匹、オレンジ色のロミ夫の子が残っているけれど、これはチーちゃんが自分のこどもと一緒に世話をしている。


タロー


ジロー

子犬のタロー・ジローも元気だ。ジローはうちの敷地内に入ってきたどこかの犬に立ち向かい、耳を噛まれてしばらく膿んでいたが、根気強く膿を出してやったら治った。わたしが手で膿を絞り出し、タローがそれを舐めていたので、消毒液もあまり必要なかった。ここの犬たちは本当に強いのだ。

思いがけず、ハリルが出張から戻ってきた。出発前に、ハリルとお客さんがいるとおさんどんが大変なんだYO! と言いそうになったけれど、すべき準備もそれほどないので無事出発できそうだ。次に更新するのは日本にて… となりそうです。それではまた。

猫たちを外に

わたしが家を留守にするのは5週間。最後の2週間はハリルも日本に来るので、そのあいだはおそらくナーセルと奥さんと二、三人のこどもがこの家に住むだろう。
今はチーちゃんとタイちゃんと子猫7匹、サーリジャとキティが家の中で暮らしている。基本的に猫たちは自由に出入りをしているのだが(わたしがドアを開けてやる)、夜も家で寝ているのがこの11匹というわけだ。キティのトイレトレーニングも済んだので、みんなトイレは外でしている。
子猫たちは、生後一ヶ月以上になり、かなり歩けるようになってきた。先に産まれたチーちゃんの3匹は、もう跳ねたりできるし、走る速度がかなり上がっている。


タイちゃんの得意技。7匹まとめて授乳

しかしナーセルたちは、猫を家には入れないだろう。それに、わたし以外の人はハリルも含めて猫センサーを持っていないので、家の中で粗相をする猫が増えるだろう。猫センサーというのは、生活しながらも数匹の猫がそれぞれ外に出たがったり、家に入りたがったりするのをすばやく察知する能力だ。餌をいつどのくらい食べたかなど、数匹の猫のトイレ事情をそれぞれ「無意識に」察知できなければならないが、ハリルにそれができるとは思えない。
そういうわけで、わたしが決めた作戦は、今のうちに猫を外に出してしまうことだ。いずれにしても、毎年五月くらいになるとノミが繁殖し始めるので、猫は家に入れないようにしているので、これを機会にそうすることにした。

まずはチーちゃんの子猫たちを、1メートルくらいの高さの壁で囲われた敷地に移した。彼らは家の中で産まれたので、庭に出るのは初めてなのだ。最初は日中の数時間、外で過ごさせていたが、今日はそのまま夕方に小屋に移した。そこで一晩過ごせば、外での生活にも慣れていくだろう。

チーちゃんは怒っていたけれど、夜も家に戻って来ないので、子猫のそばにいるのだと思う。子猫に近づいてきた子犬のジローにチーちゃんがすごい剣幕で襲いかかり、ジローは「キャイ~ン! キャイ~ン!」と逃げていた。
タイちゃんの子猫4匹は、もともと庭の小屋で育ったので、同じ場所に戻しておいた。彼らももう歩けるし、問題ないだろう。あとはサーリジャとキティを、出発の日に家から出しておこうと思う。気温がぐっと上がったので、もう寒いこともないはずだ。


キティ


タイちゃんと4匹


左から二番目の口と手!

でも家の中に子猫がいないのは、どんなにつまらないことか! もう、あのモフモフに顔をうずめることができないなんて。

旅の準備など

出発の日が三日後に迫った。先週から泊り客があって、そのお客とハリルは出張に出てしまったので、日本へ帰国する日は一人でテヘランの空港に向かわなければならない。言葉が通じないし、イランには騙す人が多くいるから心配だが、携帯電話を買ってもらったので、タクシーに乗る前にハリルに電話してなんとかしようと思っている。日本人と分かるとぼられるだろうから、ペルシャ語のできないトルクメンのふりをして通すつもり。
さて、旅の準備はそれほどないけれど、置いていく猫とハリルのために準備をしている。三週間ひとり暮らしをするハリルには、食事の作り置きだ。彼は料理は得意だが、毎日家畜の世話でヘトヘトになっているので、料理をする時間や気力はなさそうだからだ。
ごはんにかける煮込みを三種類、パンを添えて食べる豆料理を二種類、それにガトゥックラシュの素など、食材をあるだけ使い切った。これこそ写真を撮るべきだったが、必死に作業をしていて忘れてしまい、一枚だけ。


チリコンカン

家で焼いているパンは全粒粉が終わってしまったので、小麦粉のパンにレーズンを入れて焼いてみた。これはわたしが自分で食べているけれど、毎日4個ずつ焼いているので、残ったものは冷凍しておこう。


残った全粒粉が少しだけ入っている


キウィフルーツジャム


キウィフルーツはべクチンが多いのでジャムにしやすいが、色が出しにくい

帰国前にどうしても済ませておきたかった、寝室の掃除もした。梯子がないと届かない二枚の窓はできなかったけれど、天井、壁、床をきれいにすることができた。



新築なのに大々的に掃除をしなければならなかった理由は、去年ハリルがここにニワトリの一家を囲っていたからだ。床は、ニワトリの餌と糞からなる草原になっていた。それを掃き出して、水とブラシでゴシゴシやって、拭き取った(ドアの内側に、独特な虫の巣があった…)。もう臭いもまったくしない。この部屋に、留守中には隠しておきたい品々を入れて施錠していこうというわけ。

さて、猫のためになにを準備するかについては、長くなったので別の記事に。

セルニック

すんごいものを焼いてしまった。こちら↓

ベイクドチーズケーキだが、ポーランド風にしたので「セルニック」か。アウズを解凍した後で、底に敷くためのビスケットがないことに気づいたけれど、どうしても焼いてしまいたかったので、セルニックのようにビスケット部分も自分で作ればいいと思いついたのだった。
材料は以前と同じだが、底と表面部分に使うビスケット生地は、材料をボールかビニール袋に入れてバターをすり潰しながらよく混ぜる。底にはしっかり敷き詰めて、表面にはパラパラと振りかける。表面に振りかける分には、カカオパウダーを混ぜて茶色い生地にしてもいいと思う。スウェーデンで買っていたポーランドのセルニックはそうだった。

[底と表面のビスケット生地]
- 小麦粉 100g
- 砂糖 50g
- バター 50g
- 卵黄 2個分
※余った卵白はメレンゲにしてケーキ生地に混ぜる

[ケーキの生地]
- アウズ+カイマック+スズメ=400g
- 卵 2個
- 砂糖 100g
- 小麦粉 30g
- オレンジの果汁(レモンジュースの代わり) 適宜
- オレンジの皮のすりおろし 適宜

ビスケット生地が用意できたら、半分くらいを底に敷き詰めたあと、ケーキ生地を作る。まずは、卵白をよく泡立ててメレンゲにする。別のボールで残りの材料を十分に混ぜ、最後にメレンゲと混ぜ合わせてからケーキ型に落とす。軽く空気を抜いてから、残りのビスケット生地をパラパラと乗せてオーブンに入れる。適度な火加減で、40分くらい焼く。

オレンジの皮のほかに、レーズンを入れたセルニックもたしかにあったと思う。
このチーズケーキのなにが特別かというと、乳牛が年に一度、出産した際にだけ出る初乳を使っていることだ。それから新鮮な牛乳で作ったスズメ(水切りヨーグルト)、生乳を温めたときにできる膜(カイマック)も特別だ。おまけに卵もうちのニワトリ様が産んだもの。オレンジが庭の木からもいだものだったら、もう夢のようだが、そこまではまだ叶っていない。いずれにしても、本来のチーズケーキというのは、酪農家のおばちゃんが新鮮な材料を使って焼いた、こういうお菓子のことなのだろう。差をつけるようで申し訳ないけれど、店で買ったクリームチーズや生クリームでは、この味は出せないのだ。

ところで、食事やパソコン作業に使っているうちの大きなテーブルとイスは、標準的な高さより10cm高い。発注するときに、なにを思ったかハリルが10cm足してしまったのだ。できあがったものは、足がつかないことはないけれど、座り心地が悪いし、腰にも悪そう…。それで、足元にフットレストになるよう大きなクッションを置いて足を乗せている。


イスを引いたところです

ところが最近は、気がつくとわたしのフットレストが猫に占領されている。足が置けないんだよね。


でもかわいいから、いいか♡

ペンケース

ペンケースの縫製にようやく取りかかった。刺繍はだいぶ前に指し手から納品されていたのだけれど、長いあいだ放ってあったのだった。

今年は、刺繍の刺し手をかなり選んでいる。わたしが惚れ込んでいる刺し手は今のところ一人いて、上の赤・黄・白のペンケースは彼女が刺したものだ。彼女はこのあたりでも一番の刺し手なので、お祝い用バラックの注文が絶えず、仕事を頼むのは容易ではない。


このスティッチの細かさ、正確さ

上の模様は「ゴチョック」と言って、オスの羊の角を表わしている。一見、ハートに見えるのだが、黄色だけ、白だけに目を凝らすと角の姿が見えるかもしれない。

この模様は、カタツムリ。いかにもトルクメンらしい模様で、たしかにカタツムリ的だ。

縫製したのは全部で10個。まだ裏地をつける作業が残っている。新作はこれしかできていないけれど、ペンケースをさらに作るかどうかは検討中。今はバラックとチャイガップ(茶袋)に集中して作っている。このペンケースは「大人の小さなペンケース」をイメージして作っているのだけれど、友人が言うにはメガネケースにもぴったりだそうだ。それを聞いたので、裏地はなるべく厚めの布をつけようと思っている。
じつは、急用ができて、来月日本に帰国することになった。今年は夏に帰国して刺繍作品の販売をしたいと思っていたのだが、帰国が早まったことで販売はできなくなりそうだ。とても残念だけれど、いまは作品製作も迷走中なので、時間をかけてより発展させたいと思っている。ちなみに、急用とはわたしの歯医者です。一ヶ月ほど、千葉県の実家に滞在する(ハリルは最後の二週間だけ合流)ので、集まりがあったら誘ってください。

トルクメンの靴下

気候が変わったので、衣替えを始めている。冬物のセーターなどを洗濯して、虫がつかないようにビニールの袋に入れたあとスーツケースに入れて、クロゼットにしまう。衣替えついでに衣類の断捨離もしたのだが、その際、ずっと放ってあった2~3足の靴下を見つけた。

これは市場で買ったもので、トルクメンの手編みの靴下。素材はウールではなくアクリルのような化繊である。数回履いたような感じだが、まだ新しい。

これも市場で買ったものだが、トルクメンのものかペルシャ人のものか、それ以外か、まったく分からない。けれど、トルクメンの伝統的な手仕事を売っている店で買ったので、トルクメンの可能性が高い。それにしては、非常にモダンな色柄だけれど。
数年前、トルクメンの手編みの靴下を日本で販売しようと思っていて、いろいろ調査していた際に買った2足だが、よく見ると青い方はかなり日焼けしているし、靴下を扱う気は今はないので、洗濯して来年自分で履くことにした。

これも典型的なトルクメンの手編みの靴下。トルクメニスタンの人におみやげでもらったものだ。自分で履いていたのだが、かかとの部分がほつれてきたので、これも来年直して履こうと思っている。しかし編み直し方が分からないので、かがるだけになりそうだ。
しかしトルクメンの仕事は大概において雑だと感じることが多いのだが、女性の手仕事となるとなぜこんなにも緻密なものができあがるのだろう。特に刺繍と編物はそう。本当に不思議でアルヨ。

最後に、古いスーツケースの上に乗っているのは、わたしが持っているスカーフのすべて。数えたら18枚もあった。ろくに被りもしないのに、よくもこんなに集めたものだ。自分で買ったのは半分くらい、もらいものが半分。しかも、この他に未使用のスカーフがまだ何枚もある。これらは断捨離しがいがあるが、するつもりはない。これからとっかえひっかえ被って、クミシュテペのファッションリーダーを目指すことにする。

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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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