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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   
カテゴリー「動物」の記事一覧

キティの不調

四日前、猫のキティの具合が悪いことに気がついた。庭に設置した猫ハウスにひとりでじっと座っていて、そこから出てきたと思ったら大きな声で鳴き始めたからだ。それが異常な鳴き方だったので、しばらくして家の中に置いて様子を見ることにした。

家に入ると、キティはふらふらしながら斜め右方向に向かい、壁に沿って様子をうかがっているように見えた。そのときは他の猫がいるかどうか気にしているのかと思ったのだが、どうやら身体的に不調があって、まっすぐ歩けなかったようだ。二日目に気がついたのは、右目の瞳孔が開ききっているということだった。歩こうとすると、ダダダッとバランスを崩して倒れてしまう。片目が見えないのだろうと思った。
脳梗塞でも起こしているのか? このまま失明してしまったり、体が不随になってしまったりするのだろうか? わたしはそんな最悪の場合を考えて、心配していた。しかしハリルは、キティを家の中に入れた時点ですぐに、彼女を撫でながら涙を流していた。まだ何があったか分からないというのに、もう死ぬとでも思っているのか? と、鼻水まで垂らしているハリルを見てちょっと呆れてしまったのだが、後で聞いたら、キティの痛みを想像して悲しかったようだ。自分が車にはねられたときのことを思い出していたのかもしれない。
キティは昏々と眠り続け、ときどき起きてはフラフラと歩いて、倒れていた。しかし食欲はあって、肉を口に持っていってやると食べていた。食べたことで、死はとりあえず遠ざかったろうと思ったけれど、不安そうに鳴くキティを見ているとやはり心配になった。キティはプライドが高く、ほかの猫を近寄らせない性格なのだが、なぜかサーリジャだけは好きなようで、彼を見ると自分からすり寄っていく。

 

できるだけサーリジャをそばに置いてやったけれど、彼はあまりキティのことを気にしていないようだった。
具合が悪くなってから5日目の今日、キティの右目の瞳孔は少し閉じ始めた。それと同時に、歩きも少しだけ安定に近づいたようだ。トイレも自分で外に出ようとするようになったし、このまま快方に向かうと信じている。
キティの病状についてインターネットで色々と調べたけれど、結局手がかりは見つからなかった。あるホームページでは、獣医さんが待ち構えていて、チャットで症状を伝えて相談に乗ってくれるというのがあった。尋ね始めたら、突然「デポジットを払ってください(二千円くらい)」と出たのでよくよく考えて、やめた。しまいには「近くの獣医さんに見せてください」と言われるような気がしたからだ。インターネットで人間や動物の病気の治療法を検索すると、ほとんどが「早く医者へ!」という結論なので、まったく役に立たない。猫の場合は「保温して」「休ませて」「食べさせる」、結局はそれがうちでできる一番の手当てのようだ。

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犬猫

タロ子がお化粧をしていたので、写真を撮ってあげた。庭に置いてあった袋から石灰がこぼれてしまい、そこに顔をすりつけたようだ。


少し前のジロ子と同じく、タロ子も成人した。バグティがお尻のにおいを嗅いでいるし、見たこともない雄犬が家の前をうろうろしている。タロ子もジロ子も、拾ってから十ヶ月が経ち、美しい雌犬になった。ジャポンやバグティの真似をして吠えたり、猫たちと遊んだり、鶏から餌を守ったり、楽しい日々を送っていると思う。すっかりわたしになついていて、口笛を吹くと必ず走ってやってくる。そしておとなしく繋がれる。

あ、噛まれる

危ないな

あ、咥えた!

犬と仲がいい猫は、彼らが手加減していることを分かっているようだ。カプッと頭を咥えられたように見えたけれど、猫はなぜか喜んでその場を離れない。餌をやる人間の手に対してもそうだが、犬は噛むときにその力加減を調節できるのだろう。バグティなんか、餌を横取りする鶏を咥えてぶるぶると振り回してから、自由にしてやっている。鶏もそれを分かっているからか、何度咥えられてもまた戻ってくる(三歩歩いたあとに忘れている可能性もある)。


ジャポンは、首の回りの腫れが少しひいたようだ。しかし雌犬を追いかけていた期間のダメージはまだ回復できておらず、前足を引きづっている。
南庭では、ガラアーラが出産したという。ハリルは10匹などと言っていたが、行って数えてみないことには実際のところは不明である。

捨て猫

先日、夕方に庭の用事を終えて家に入ろうと思ったら、隣のこどもが呼んでいた。壁越しになにかと思ったら、猫をもらってくれという。「要らない」とか「もとに戻してきなさい」とか言って全力で断ったが、彼女も必死にわたしに猫を受け取ってもらおうとしていた。「うちのじゃないのか?」というので、一応袋の中を覗いたけれど、うちの猫ではなかった。力なくわたしを見つめる子猫のその目が、印象に残ってしまった。
その二日後、ハリルが「かわいそうに、その猫は死んでいた」と言いながら帰宅した。あのときから二日も経たずに死んでしまったようだ。
あらためてハリルがお隣さんに事情を聞いてみると、その子猫は庭に捨てられていたのだそうだ。彼らは飼えないので、たくさん猫を飼っているうちに渡そうと思ったのだろう。同じ理由で、アフーンの奥さんが黙ってうちに子猫を捨てたことがある(現場を陰から見てしまったのだ)。そのときは、奥さんにしばらく挨拶するのをやめたほど、わたしは腹を立てた。なぜなら、その子猫(のちのガラジャ)はアフーンの倉庫に寝ていたけれど、ときどき母猫が来てミルクをやっていたからだ。うちは犬や猫を多数飼っているけれど、したくてそうしているわけではない。餌を工面するのも毎日本当に大変だし、去勢手術ができないので増える一方だ。あげることはあっても、もらうことはこれ以上できないのだ。
そう言ってみても、やはりあの子猫を世話してやらなかったことを後悔しないわけにはいかない。


少し前に庭の猫たちに交じっていたガウシャンも、お隣さんが持ってきたんだろうか? あるいは、別の人がこっそり置いていったのかもしれない。そんな気がしてきた。
しかしガウシャンの生命力はものすごい。もとからうちにいる12匹の猫は、サーリジャ(大)を除いて家の中には入れてもらえないことになっている。それなのに、12匹を差し置いて、ガウシャンは家の中に入れてもらい、特別な餌をもらい、わたしのお腹で気が済むまでモミモミをして、わたしの胸の上で眠るのだ。欲しいものをすべて手に入れている。捨て猫だったのに!
ガウシャンはどうやってそれを実現しているかというと、とにかく必死に鳴いて、諦めないのだ。何十分でもドアの前で泣き続ける。よじ登る。そしていつもわたしが諦めるのだった。自らの力で命を掴んでいる猫だ。

南庭の犬猫

南庭のガラアーラ(雌犬)が妊娠していた。もともと体の大きな犬だが、そのお腹がすごいことになっている。


いったい何匹産まれるのだ?

去年ガラアーラが産んで、唯一南庭に残した犬が、長いあいだ病気をしている。肢体が不自由で満足に歩くことができないし、目の縁が赤く、いかにも病的に見えた。獣医に聞いても、クミシュテペによくある病気で治療法はないと言われたのだ。しかし以前より太ってきたし、眼の縁もましになったので、死は遠ざかったのではないかと思っている。
 

ガチガチも、雌をめぐってほかの雄とけんかをし、一時は死にそうになっていたが、ハリルが気にかけていたら復活したようだ。まだ足をひいているけれど、いつもどおり甘えて元気そうだった。



猫の方は、今年の南庭には2匹しか子猫がいない。もっと小さい頃は近寄らせてくれなかったが、2匹とも人間にも慣れてきて、美しく育っている。


ほかに、今日見かけたのはキティの姉妹、ガウシャン、チーちゃんそっくりの娘だった。子猫を産んだのは、チーちゃんの娘のようだ。

キティの姉妹

ガウシャン

右がチーちゃんの娘

もうすぐ子犬がたくさん産まれて、賑やかになるだろう。

牛 No.5 の出産

十日前に産まれた、牛 No.5 の子はオスだった。もう庭中を駆け回るほど、たくましく育っている。


No.5 に似ているかというと、黒っぽいところは似ているけれど、そっくりではなかった。父親似なのかもしれない。
母親の No.5

しかし背中というかお尻というか、しっぽの手前の部分にある白い模様は、母親から譲り受けたものだろう。おでこのハートマークもよく似ている。

子牛のお尻

南庭にいる牛の様子もほとんど分からなくなってしまったが、子牛はこれを含めて4頭いる。そのうちメスが1頭なので、それはいずれ乳牛になるだろう。オスはいい時期に売られてしまうだろう。乳牛は No.3、No.4、No.5、No.6(以前のNo.7=No.4の子)、No.7(No.5の子)の5頭がいる。牛はたくさんいたような気がしたが、死んだり売ったりで、数はあまり増えていないようだ。

子牛たち。右はシンメンタールとホルスタインの交配種

羊の方は、少し前から朝早くに羊飼いに渡し、夕方に受け取るようになっている。その羊飼いは、多くの飼い主から群れを預かり、大きな群れにして一日中放牧するそうだ。それで、羊の群れの放牧はハリルの手を離れたけれど、牛はいるし、妊娠している羊や子羊は南庭に置いているので仕事はなくならない。


ハリルは毎日、親のいない子羊にミルクをやっている。一頭だけだが、以前にミルクをやっていてもう成長したはずの羊も寄ってきて、飲もうとしていた。

楽しそうだね

夕方になり、羊の群れが帰ってきた。先頭集団はいつも、ヤギたちだ。

立派な角をもつリーダーがいる


南庭の外でわたしが見張っていた妊婦たちも合流して、羊たちは小屋に戻った。それからハリルやナーセルは日が暮れるまで翌朝の餌の準備をして、家路に着いた。


雄鶏

最近、隣の家の白い雄鶏がうちの庭に侵入してくるので、石を投げて追い払っている。このあいだは、鶏が悲鳴を上げているので外に出てみたら、その白い雄鶏がうちの雌鶏を追いかけ回していた。庭の外に追い払った後、うちにはボスである雄鶏が一羽いるのに、何をしているのだろうと探したら、なんと彼はその両足に糸が絡まって動けなくなっていた。庭に落ちている紐や糸などのゴミはできる限り拾うようにしているのだが、ときどきこういうことがある。彼の足を捕まえて逆さまにして台所まで連れて行き、糸をすべて切って元に戻してやった。

あまり体の大きくない雄鶏のボス

十数羽の奥さんを従えている大将なのだ

それにしても、大将が倒れていたら敵の陣地でもすぐに侵入してその座を奪おうとするのか。まったく抜け目のない動物だ。ボスの次に大きな雄鶏であるコッコはどうなのか観察していたら、白い雄鶏から逃げ回っていた。まだ若いから弱いのか、生まれ持った性格なのかは分からないが、まったく頼りない。


しかし女を口説くのはうまいようで、今日もこの娘に目をつけて近づいていた。コッコよ。せめて、こどもをたくさん作ってくれたまえ。

ガウシャン

庭で餌をやっている猫が13匹もいて、それぞれが甘えてくるので「もう、面倒をみきれない!」と思うことがしばしばある。しかしやはり、かわいいので思い直して世話をしている。
どの猫もそれぞれのかわいさがあるのだが、今はやはり一番小さいガウシャンがダントツで愛嬌がある。彼女はひどく甘えん坊だが、健気さがあってつい家に入れてしまう。


とてもかわいい声で、しゃべるように「入れて!」と鳴く。最近は網戸に登り、わたしが嫌がってドアを開けるよう仕掛けてくる。網戸が壊れると困るので、ついつい屈してしまうのだった。
しかしガウシャンは態度のいい猫で、餌をやれば一所懸命食べて、そのあとすぐに昼寝をする。そういえば、ロミ夫もそういう猫だ。彼の場合、食べたあとは寝室に直行して「ドアを開けてくれ!」と鳴くのが習慣だった。いい大人になった今も、ときどき来る。ガウシャンは子猫なので、お母さんに甘えたいのか、気の済むまでモミモミをしてから、わたしにくっついて眠りたいようだ。時間があるときは添い寝してやるけれど、用事のあるときはクッションの上に乗っけて「寝なさい」とやる。大概は、ニャーニャー言って追いかけてきて、寝てくれないのだけれど。


今日はパソコンをしていたら、マウスを持つわたしの腕にくっついてきて、気がついたら眠っていた。写真を撮っても気づかない。そのうち、パソコンにあごを乗せて寝入ってしまった。うぇ~ん、かわいいよ~





プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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