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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   
カテゴリー「動物」の記事一覧

きなこ

子猫が一匹、死んでしまった。キティの子で、その毛色から「きなこ」と名づけたばかりだった。



順調に育っていると思っていたのに、あるときから急に弱っていった。お腹が痛いのか、突然走り出してシャワー室の隅に座っては鳴くというようなことを繰り返していたのだが、みるみる痩せていき、息絶えてしまった。
キティは出産直後はおっぱいが少し膨らんでいたが、きなこの具合が悪くなった頃には胸を触ってもぺったんこだった。母乳はほとんど出ていなかったのだと思う。なぜかというと、キティはほとんど拒食症と言っていいくらい、ものを食べないのだ。それでもきなこを一所懸命なめたり、授乳(の恰好)をしていたが、子猫にとって母乳は唯一の栄養だから、肝心なものが足りていなかったかもしれない。しかし獣医ではないので、病気や死因についてはまったく分からない。体についたノミの数が異常だったので一度洗ってやったが、それも悪かったのかもしれない。



外に出すと、いつも階段下のこの場所に隠れていた

きなこは、死産だった兄(姉)のそばに埋葬した。思えば、その兄(姉)も口が上下に大きく開いた状態で産まれてきたし、キティの体にはなにか問題がありそうだ。餌を食べないのは、においを嗅ぐことができないのかもしれない。こどもの頃から特別に弱い子で、一匹だけ家に残した猫だから、仕方がない。しかし3~4日のあいだに手羽先の先端を数本しか食べていないのに、痩せた様子もない。いったいどういうことなんだろう。まさか、外でネズミや野鳥を食べているとか?
ガウシャンの子猫2匹も、マッチ棒のように痩せてしまったが、昨日今日で少しましになってきた。家の中で、キティと一緒に住まわせている。ガウシャンもあまりおっぱいがない。彼女は消化器官に問題があるのか、鶏肉を生で食べると吐いてしまう。これは妊娠した頃に始まった症状だ。よく食べるものは、パンと残飯。そんなものを食べて育ったのだろうか。子猫2匹は、餌を食べられるようになったあとで具合が悪くなったので、母乳がなくても餌を食べられれば回復が望めそうだ。
それから、右頬が異様に膨らんでいたチーちゃんだが、その後それが破裂し、顔の右半分の毛皮が完全に剥がれてしまった。その状態を見たときは、チーちゃんは今回は助からないと思ったのに、ものすごい食欲に応えていたら、なんと傷が小さくなってきた。まだ肉が見えている状態だが、においもしないし、治る希望が見えてきた。ケンカでもして引っかかれて、化膿したのかもしれない。
その他、妊娠していたはずの猫2匹が流産したようだ。左右に出っ張っていたお腹が凹んでいるのでそう考えた。でも2匹ともすこぶる元気なので、こちらは心配していない。
猫だけでも次々と問題が出てきて、まったく落ち着かない日々。

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子猫

キティの子猫は、メスだった。黄色いトラなのだが、オレンジではなく白っぽい。十日目で目が開いたので、物置部屋のストーブの脇からサロンに移した。段ボールを横倒しにして、子猫が歩いて出ていけるようにもした。

まだ猫の形になっていない


ガウシャンが産んだ二匹の子猫は、もうとっくに外に出している。昼間は菜の花の庭で遊んで、夜は温水器の陰に隠れて寝ているようだ。チーちゃんも彼らをかわいく思っているようで、舐めてやるものの、授乳には至っていない。チーちゃんはなんと、ガウシャンや他の大きな猫たちまで舐めてやるようになった。子猫に与えるはずだった母性が、溢れているのだろうか。発情している雄猫(サーリジャ)には、ものすごい勢いで威嚇して追い払っているが。





チーちゃんと子猫

チーちゃんの様子が変だ。どこかで子猫を産んで世話をしているはずなのに、このところかなり長い時間を家の中で過ごしている。思うに、子猫を失ってしまったのだ。どこに囲っていたか知らないが、近所の敷地内に決まっているだろう。チーちゃんのことだから、犬が来るような場所に産むわけがないので、人間がなにかしたかもしれない。つまり、捨てたか殺したか、だ。
家にずっといることに加えて、チーちゃんのおっぱいは乳牛のように張っている。子猫が飲んでいたら少しは小さくなるだろうに(キティは授乳しているのに食べないので、ぺちゃんこだ!)、垂れ下がってしまっている。それから、わたしにやたらに甘えてくる。少し前までは、餌を食べたら急いで外に出て子猫のもとへ走っていたのに、外に出しても庭から離れない。キリッとした美人顔が、なんだかボーっとして冴えない表情に変わってしまった。

手前がチーちゃん

そしてなにより、チーちゃんに対してかなり攻撃的だったガウシャンが、敵意を見せなくなった。くっついて一緒に寝たりして、数日前にはあり得なかった状況になっている。猫同士は、意思の疎通があるのだろうか。それとも、チーちゃんの母親としての攻撃性のようなものが消えてしまったのだろうか。チーちゃんは、ガウシャンの子猫たちを舐めたりしている。ちょうどいいので、キティの子猫に乳をやってくれないかと思ったが、こちらはなぜか「シャーッ!」と威嚇してしまう。うまくいかないものだ。

キティの出産

我が家の美猫、キティが初めての出産をした。朝から大きな声で鳴いていたので、陣痛がきたのだとすぐに分かった。わたしのベッドの上で産みたそうにしているので慌てて寝室を閉めて、物置部屋に移した。このところ気温が低い日がつづき、家の中は冬のように寒い。寝室と物置部屋はストーブをつけてあるので、ストーブのそばに段ボールを置いたら、しばらくしてキティはそこに入っていた。

産まれたて!

二匹目を産もうとしているところ

キティは二匹産んだが、残念ながら二匹目は死産だった。一匹目は、黒っぽい卵のようなものがゆっくり出てきた。産む瞬間、キティは泣きもせずにゆっくり何度もいきんでいた。卵のような頭がようやく外に出たと思ったら、それに続く胴体はするっと出てきた。黄色だった。大好きなサーリジャの子か、または別の猫の子か? 二匹目は黒くて、額に黄色の毛があるめずらしい色だった。しかし頭が出てきたとき、口が大きく開いて舌が出ていたので、これはおかしいと思った。案の定、キティがへその緒を切って羊水を舐めきっても、呼吸を始めなかった。仕方がないので口をもっと開けてみると、舌と喉のあいだが開かない。気道が発達しなかったのだろうか。いずれにしても生は始まらなかったので、キティからすばやく取り上げた。


キティは神経質な猫だが、母親になってなにか変わるだろうか。子猫に付きっきりで、大事に思っているようだ。猫はいつから母親になるのだろう。自分のお腹から出てきた小さい猫(まだ猫には見えない)に乳をやり、大事に守ろうとするのが不思議だ。この子猫は、出てきた瞬間から乳を飲みたそうにしていた。元気いっぱいだ。



羊の毛刈り

今日もまた初体験、羊の毛刈りをした。人を雇うとお金がかかるということで、日本から専用のハサミを買ってきてあったのだ。ハサミの代金をわたしが支払って、わたしが刈るのだから、なんだかうまく利用されているとしか思えないのだが。


羊の群れは、半分を別の町に住む親戚に預けたそうだ。親戚は大きな群れを持っているので、一緒に放牧してもらうとか。残った中の15頭くらいの毛を刈らなければならない。
イラン式の刈り方は、四本の足を一つに縛って横に倒し、順々に刈っていく。YouTubeでニュージーランドなどの刈り方を見てみたら、お尻で座らせた姿勢から始めて、羊を押さえたり回したりしながらチョキチョキ刈っていた。そういえば、わたしも小学校の行事で、羊の毛刈りを見たことがある。そのときはバリカンを使っていたけれど、機械音がうるさいのでハサミがいいと言う人も、YouTubeでは見られた。


一丁上がり。手前がわたし、後ろはナーセルの奥さんが刈った。今日は一頭やっただけで腰が痛くなったので、明日以降またがんばろう。足の毛やしっぽを切り忘れているな。

一番小さい子ヤギ。かわいい顔に似合わず、筋肉質な肉体だ

乳牛たちも元気です

イランはサマータイムに切り替わっていたことに、四日目でようやく気がついた。いつもより30分早く起きていたと思っていたら、30分寝坊していたという。

ロチの生命力

ロチは、チーちゃんが産んだオス猫だ。3匹産まれて、子猫のときに2匹が犬に噛まれて死んでしまい、残ったロチもいっときものを食べなくなって、わたしは彼の死を覚悟したのを覚えている。しかしよくなって、その後はものすごく大きな猫に成長した。両目の間隔が広めで、美しくハンサムな猫だったが、性質がワイルドだったので家の中に入れることはなかった。サーリジャやガラジャなど、ほかの兄弟(タイちゃんの子猫)は家で寝ていたので、ロチが庭からいなくなったときは仲間はずれにされたと思ったかもしれない、と少し後悔した。
しかし一年以上経って戻ってきたということは、そのあいだどこかで元気にやっていたのだと思う。今は、帰ってきたときに負っていた傷が化膿してしまったようで、ロチが足元にいるだけで鼻を突くような悪臭がする。ここまで来ると、死んでしまう日は遠くないように思う。
しかしロチには食欲がある。餌の時間には一番乗りでやってきて、食べようとするが、固形物はもう飲みこめないようだ。噛んで飲みこもうとする瞬間に「グワグワグワァ」と恐ろしい音を出している。そして吐き出してしまう。たぶん、痛いのだと思う。痛みに耐えきれず、叫んでいるようだ。昨日まではチキンの煮凝りを舐めて飲みこんでいたのに、今日はもうダメだった。スープも飲めなかった。
それでも日中は、わたしを見ると鳴きながらすり寄ってきて、犬やほかの猫たちにも体をなすりつけている。タロとジロは、近寄るロチを吠えるようになった。たぶん、においがきつすぎるのだろう。目、鼻、口から液体が流れ出たままで、よだれはとくに長く垂れている。拭う気力もないのか、前足も黒く汚れている。本当にかわいそうだ。


でもロチは、痛くても猛烈に食べようとする力を見せている。今日は初めてなにも食べられなかったが、明日はなんとかスープを飲んでほしい。うちにいた猫の中で一番大きな体になったロチだが、今はガリガリに痩せてしまった。死は目前のようにわたしには思えるが、ロチはそんなことを思ってはいないようだ。いかに食べるか、いかにみんなのそばにいるか。それに集中しているように見える。最後はロチも諦めてしまうのだろうか。
傷の深さからいって、犬に噛まれたのかもしれないと今では思う。ガブッと、右頬とあごのどこかに上下の歯が入ったのかもしれない。大きな傷を負って、慌てて生家に戻ってきたのだろう。ロチがどうなろうと、わたしはここで見守っている。

南庭の動物たち

毎朝7時半ごろ家を出て、南庭に向かう。南庭ではナーセルと奥さんが家畜の世話をしているが、わたしは犬たちに餌をやりに行くだけだ。しかしこんなに律儀に犬の餌やりをする人は、クミシュテペにはいないだろう。南庭のお隣さんは牛と羊を少し飼っていたのだが、おじさんが病気になったとかですべて売ってしまったそうだ。そして今はもう敷地に人が来ることはない。ただ、そこで飼っていた番犬も、そのまま置いていったそうだ。ハリルが「犬が餌を待ってるぞ」と何度か伝えたそうなのだが、「行ったらいなかった」などと言ったとか。

正面に見えるのがうちの倉庫

犬たちは、道の途中までわたしを迎えに来る。というか、餌を迎えに来る。5匹の犬と4匹の猫に、バケツ一杯の餌をやっている。同じくらいの量を、家では4匹の犬と10匹の猫にやる。キティとガウシャンはその中に含まれず、特別な餌を家の中でもらっている。決して十分な量ではないけれど、あとは自分で鳥とかネズミを捕ってくれ… ということだ。

乳牛No.4~No.6

乳牛No.3

子ヤギが一頭いた。あまりに細くて、生き残れるのか心配だ

子牛たちも大きくなって、倉庫や小屋に繋がれて、餌をもらっていた。羊の群れは朝早く、羊飼いに渡して一日中放牧してもらっている。

母娘。母はタイちゃんの娘

アッコ(右)とガラジャ(左)

南庭を出て左に行くとカスピ海

右に行くとクミシュテペの町

周囲の畑には作物が順調に育っている。うちの庭も草が爆発的に生えているし、気温も上がってきて、いよいよ春を迎える様子だ。その前に、大小ふたつの嵐が通り過ぎるのを待たなければならないが。


最後に、いつも見かけるロバをお披露目。ときどきにんじんをやっている。まったく歩いている様子がなく、筋肉もなく、スタイルが悪くてかわいそうだ。買い取ってやりたいけれど、ハリルに話したら否定的だった。

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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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