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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   
カテゴリー「食べもの」の記事一覧

デュシェメ

先週買ったチョウザメで、デュシェメを作った。カスピ海で取れるこの魚は、独特のにおいがあるのだが、今回のピースは臭みをほとんど感じなかった。


天然の魚は、火を通しても縮まない。それは、食べているものが合成された餌ではないからだ。脂で太らせた養殖の魚は、短期間に大きくなるよう餌で調整しているために、その身の質が違うのだ。そういうことをスウェーデンにいる頃からハリルにレクチャーされていたけれど、クミシュテペに来てからは野生に近い食べものを実際に見て、実感することができるようになった。

デュシェメ

デュシェメを作るときは、まずスライスしたにんにく、レーズン、ゼレシュク、クミンなどを揚げて塩をし、サフラン水でちょっと煮たものを作っておく。それから米を茹でておく。
鍋に油を敷き、スライスしたじゃがいも、たまねぎ、揚げた魚、レーズン類を順に乗せていき、最後にごはんで覆うようにしてしばらく炊いて、できあがり。野性味たっぷりの一品だ。
さて、夜が長くなったので、寝る前に刺繍をしている。わたしが作業をしているそばで、猫たちはうたた寝だ。ストーブの前には布団を折りたたんで高くし、暖がとれるよう猫用のベッドが用意されている。



寝ぼけて落ちた瞬間

こちらは寝室組。ベッドメイキングができないYO!

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バラック

犠牲祭で殺した羊の肉を食べ終わってしまい、またタンパク質不足の日がやってきた。自分の飼っている鶏は、前回食べたときにあまりに痩せていたので、食べる前に特別に餌をやって太らせる必要があると思った。しかし四十羽いる鶏すべてを肥えさせるには費用がかかり過ぎる。食べると決めた鶏だけを、一定の期間、小屋に隔離して太らせたいのだが、あいにく家禽部屋にはいま4羽の雛と母親が住んでいるので、実行に移すのはもう少し後になりそうだ。
そんな中、ハリルが野鳥を買うようになった。野鳥は、ハンターが撃ったものを家まで持ってきてくれるのだが、これは内緒(違法)だ。ブログにも載せるなと言われているので、これが最後になるかもしれない。しかしこの季節のクミシュテペのごちそうなので、チャンスのある人はみんな食べていると思う。


鶏と違い、この野鳥は羽根をむしるのが大変だった。途中でハリルに助けを求めた挙句、もう野鳥はいやだと言ったら、タンパク質が必要だとあれだけ言っておいてなんだと言われた。たしかにそのとおりで一瞬黙ったけれど、だからと言ってどうしてこう極端に「撃ったばかりの野鳥」を処理することになるのか。魚のうろこを取る方がまだましだ。反撃しましたとも。


文句は言ったものの、わたしもこの鳥のおいしさを知ってしまっているので、さっさと料理に取りかかった。羽根をむしったら、内臓を除いてそこに詰め物をして、たまねぎとトマトと一緒に油で揚げる。詰め物はたまねぎ、にんにく、レーズン、ゼレシュク、サブジを炒めたものにした。
内臓は、たまねぎと一緒に揚げてトマトで煮込んで食べたら、ものすごくおいしかった。鶏の心臓やレバーとはまったく味が違う。


色よく揚がったら、鍋に水を足してチェクディルマの要領で二時間ほど煮込む。塩をして、米を入れて炊いたらできあがり。


揚げているあいだに肉から脂が溶けだしてきて、サブジやにんにくと混ざった、ものすごくおいしそうな香りがする。この鳥は魚を食べるので、肉は脂の乗ったはまちのようなのだ。ハーブやレーズン、酸っぱいゼレシュクの味がよく合わさり、満足度200%の一品だ。栄養も相当なものなのだろう。食べたあとは長いあいだ、お腹が重くなる。なんというか、「本物の」食べものを食べた気になるのだった。

かりん飴

かりん飴を作った。かりん飴の場合、果肉は煮たあとで捨ててしまうので、中まで傷んでいるかりんがあるときに作るようにしている。きれいな果実がある場合は、まるごとを使ってジャムにする。作り方は、飴の方が簡単だ。果実の傷んでいるところを取り除き、適当な大きさに切って鍋に入れたら、全体が浸るくらいの水を入れて煮る。液体が色づいてきて、果肉も十分煮込んだら、ざるで漉して液体の重さを計る。その75%くらいの砂糖を加えて再び火にかけ、好きな固さになるまで煮て、できあがり。
一時間くらい煮ればいいのだと思うが、今日はかりんを煮ているのを忘れて、鍋を火にかけたままお葬式に出かけてしまった。遠くなかったので戻ったときにも問題はなかったが、長時間煮たために色が濃くなったような気がする。みすず飴よりはやわらかく、スライムよりは固いので、ティースプーンにくるくる巻いてから舐めることができる。

飴を口に含んだまま紅茶を飲むと、フルーティないい香り!

ところでお葬式から戻る途中、ハリルと話していて、将来についてのお互いの意外な展望が明らかになってしまった。
ハリル「おれはここ(クミシュテペ)で死にたくない。死ぬ前に早くここを脱出しなければ」
クミコ「え? わたしは今朝、死んだらここに埋葬されてもいいかなと思ったところだよ。いったいどこへ移りたいわけ??」
ちぐはぐな二人の運命やいかに。

市場

いつもはハリルに任せきりの市場での買いものだが、リストを渡しても買い忘れたり買いすぎたりするので、今日は「わたしが買い出しに行くから」と本気で言ったら、午前中の買物についてきてくれた。午前中は混んでいていやだと言い、ハリルはいつも午後の遅い時間に行くのだ。それに終了間際に行くと、くず野菜などの家畜の餌が安価で手に入るようなので、それも狙いなのだろう。


カリフラワーとブロッコリーはそれぞれ1キロ95円、ほうれん草は1キロ31円。いろいろと問題のあるクミシュテペだが、新鮮な野菜がこの値段で買えるのだから、ここよりいい住処はないといつも思い直してしまう。カリフラワーはポタージュスープにし、ブロッコリーはペペロンチーノ風に炒め蒸しにした。

紫たまねぎのせいで、とてもまずそうな色のポタージュができた

ほうれん草は葉だけをちぎって軽く火を通し、ヨーグルトに入れる


ハリルは季節が終わったと思っていたザクロを見つけて喜び、たくさん買っていた。一応、途中で茶々を入れたのだけれど、「これはわたしの専門分野だからね」などと言うので放っておいた。おいしいザクロを選ぶのが得意と言いたかったのだろう。選びながらハリルは、ザクロの果実が夏のあいだに受けていた太陽のことなどを想像していたに違いない。家に帰ってさっそくザクロを割り、テイスティングしてみたら、たしかに瑞々しいのを選んだようだ。甘みは少なかったけれど、三種類あるので他も試してみよう。



ブロッガ

カスピ海の魚も一切れ買った。これはちょっと値が張るし、たぶん違法な(勝手に取引してはいけない)魚だ。ハリルは店の人に呼ばれてテントの後ろに回り、箱の中の魚を吟味していた。キャビア(卵)が入っている魚だが、実も脂がのっていて特別な味がする。この魚、ふとスウェーデンでも食べていたことを思い出した。ハリルは違法に買った魚を密輸までしていたんじゃないか? しかしヨーテボリの空港は寛大で、魚を持ってこようが、羊肉をスーツケースいっぱいに詰めてこようが、サブジやラクダの発酵乳を持ってこようが、没収されることはなかった。ただ一度、麻薬犬がやたらにうちのスーツケースに執着していたことがあって、あのときは焦った。それでも開けるようには言われなかったのだが。


午後の買物(買い足し)もバランスよく買ってくれて、今週は満足な買物ができた。キクイモのピクルスもすでに浸けたし、明日はかりん飴を煮ようと思う。

緑豆のプディング

また一つ、自分のレシピノートに料理を加えた。今回は、デザートだ。黄色い豆を使った中華風のプディングで、材料は豆と水と砂糖のみでできる。

イエロースプリット豆

この豆を買いすぎてしまい、なんとか食べられないかと思って探して見つけたレシピだった。鉄分が豊富なので、鉄剤を飲んでいるハリルにもよさそうだし、無性にあんこが食べたかったわたしにもぴったりだ。

mung bean pudding

映像で見たとおり作ってみたけれど、水5.5カップというのが多すぎたようで、煮詰める時間は倍の50分かかってしまった。ブレンダーで混ぜたので、生地があまり滑らかにならなかったこともあるが、おおむね成功したと思う。次回は水を減らしてやってみよう。

サブジ処理に疲れたら…。でもこれを食べ切ったら、けっこうもたれた!

ところでこの黄色い豆の名前を、わたしは「イエロースプリット豆」といった表記で、日本語のレシピ本で始めて知った。イランでは一般的な豆で、煮込み料理に使われている。今回のレシピでは "peeled split mung beans" と書かれていたので mung bean を和訳してみたら、「緑豆」と出てきたではないか。イエロースプリット豆は、緑豆の皮を剥いて半分にしたものだったのだ。食材について、ひとつ理解が深まったような気がして、うれしくなった。

コロッケ

クミシュテペでわたしが作っている和食は、カレーライスとコロッケだけ。あとはエビの刺身くらいなもので、食材がまったく手に入らないから仕方がない。最近はカレーにも「×」が出たので、もうコロッケしか日本のものは作らなくなった。ハリルには、刺激的なスパイスやカレールーが合わないようなのだ。

まずはパン粉の用意

先日、パン粉を作るときにフードプロセッサーを壊してしまった。しかしもう一つ、蓋だけ壊れているフープロがしまってあったので、出してきて恐る恐る使った。今回はパンのやわらかい中身のところだけを冷凍しておき、解凍してオーブンで焼いてから砕いたけれど、本当はもっと細かくしたい。どうしたらきめ細かいのができるんだろう? 凍ったパンをおろし金で摺る人もいるようだが、日本の食パンじゃないとうまくいかなそうだ。


コロッケの中身はじゃがいもと炒めたたまねぎ、ディル。ソースなしでもおいしいように、塩を効かせておく。


コロッケづくりは、最後の衣をつける部分がちょっと面倒だが、根気よく手を洗いながらやればきれいにできる。小麦粉をまぶして、卵液を塗り、パン粉をつける。ディルが入っていたので、途中でよもぎ大福が食べたくなった(そう見えた)。


何度も言うようだが、揚げたてコロッケは本当においしい。もっといろいろな揚げものを試してみようと思う。タンパク質が足りないので、豆の入ったものがよさそうだ。日本では作ったことのなかったコロッケも、だんだん好物になってきた。

パンに挟んで食べる




エビ・ディル・コロッケ

秋なので、なんとなく物思いにふけりがちだ。夏は暑すぎて思考が定まらず、冬は寒すぎて手足が動かず… と、結局、一年のほとんどをぼーっとしているんじゃないか! と自らつっこんでいるこの頃です。
しかしクミシュテペに来て秋を感じたのは、初めてのような気がする。過去五年のあいだの記憶は、「暑い夏が半年続いて、終わったと思ったら家の中まで寒い冬が3月までつづく…」というものだった。それに対して今年は、はっきりと秋を感じている。それは、庭の地面が緑になっているからだ。春のように、小さな緑の芽が庭中に出てきて、草の茂みとなっている。強い日差しがなくなり、気温は高いままで、雨が降ったりしたので植物が育ちやすいのだろう。トマトもメロンもカボチャも、あちこちで発芽している。終わったはずのミニトマトも、青い実がぶら下がっている。

赤くなるのはムリか?

今日はひさしぶりに自分の独創料理をした。エビを入れたコロッケだ。



独創というのは大げさかもしれないが、誰のレシピも見ずにありあわせのもので作ろうと思ったらこうなったのだ。正確にいえば、エビのしっぽが1本だけ出ているコロッケをどこかで目にしてしまい、それに影響されている。よくばって2本入れたので本当に変な物体になってしまったが。


じゃがいもの本体に混ぜたのは、炒めたたまねぎとディルだ。たっぷり入れたので、緑色になった。パン粉も手づくりして一気に揚げて、完成した。



エビもちゃんと火が通っていました

ちょっと味見したらあまりにもおいしくて、洗ってあったサブジをつまみながら、3個も平らげてしまった。ハリルの帰りを待つ余裕はナシ。揚げたてのコロッケは衣がサクサクで、食べずにはいられない。
次回はエビの身だけを刻んで中に入れてしまおうと思ったが、今日はパン粉を作っているときにフードプロセッサーを壊してしまった。回転させすぎて中心のなにかが溶けたようで、回らなくなってしまったのだ。残念~

乾燥ディル

コロッケに入れたのは生のディルを炒めたものだが、先日ハリルが乾燥ディルを買ってきた。お茶にして飲むというので煎れたら、とてもまずくてわたしは飲めないと思ったのだが、二度目に煎れたときはなぜなのか、おいしく感じた。ハリルは血液検査で「貧血」と言われたばかりなので、紅茶や緑茶の代わりにしばらくこれを煎れようと思っている。食事のときにお茶を飲む習慣が、鉄分の吸収を邪魔していたのではないかと疑っている。

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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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