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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   
カテゴリー「住まい」の記事一覧

網戸を作る

大工のワハブがいつまで経っても足りない網戸を作ってくれないので、自作することにした。足りないのは、風が吹いてくる西側にある洗面所の窓と、その反対の東側にある寝室の窓。この二つの窓に網戸をつければ、サロンに風が通り抜けて少し涼しくなると思っている。
寝室には、サロンとつながるドア、外に出るためのドア、天井に近いところにある窓と三つの出口があるにもかかわらず、蚊などの虫が入ってくるので開けることができなかった。当然暑すぎるので、今は二階で寝るようになっている。大きな窓のある二階の部屋は、風さえあれば快適に眠れるのだ。加えて、二階まで上がれない種類の虫もいるようなので、その点もよかった。しかしそれでも暑いときは、ハリルは3階のベランダに上って蚊帳を吊って寝ている。いくら涼しいとはいえ、夜のあいだにカスピ海から吹く風は体を冷やして危険なので、わたしはベランダには寝ない(寝相が悪いのでした)。

ワハブに発注した網戸。「日」という形で、空いている方の窓枠の溝に入れる

自作の網戸はどうするかというと、いつかトイレ用に作った網戸と同じく、ベニヤの切れ端で四角い枠を作り、それに網を張るだけ。薄いベニヤ板は厚さも幅も揃っていないけれど、夏のあいだはほぼ窓を開けっ放しなので、とにかく窓にはまって網が張ってあればいいのだ。

洗面所の窓。できました

長さを測って四つの板を切り出し、四角をなんと布テープで止め、網は接着剤でつけた。じつは最初、同じものを段ボールで作ったのだが、強度が弱すぎてヘロヘロになり、窓枠との隙間が空いてしまった。それで一段階まじめに作ってみたというわけ。

最初に作った網戸。カッター、セロテープ、接着剤だけで作った

木枠の網戸はだいぶよくなったが、のこぎり(上)がしょぼいので切るのが大変だった。次は、寝室の窓だ。


イランの窓は一方向にしか開かない、つまり、二面あるガラスのうち一面は固定されたままである。いつだったか窓の職人に「両側に開くようにできないの?」と注文をつけたら、「窓は一方は固定されるんだよ(そんなことも分からないのか)」と返されて無念だった。
寝室の網戸も同じようにベニヤを切り、布テープで止めた。こちらはお隣さんの植物が当たりそうなので少し強めの網を使ったのだが、それも布テープでベニヤに止めた。

左側が(常時)網戸をはめた状態

なんとか収まったように見えたけれど、窓枠とのあいだの隙が大きかったようなので、網の切れ端を押し込んでおいた。かなりいい加減な仕事だが、網を直接窓枠に接着剤で止めてしまうトルクメン仕事よりほんの少しましだろう。

よく見ると隙間があるが、蚊が入れないよう網を押し込んである

これで「とりあえず」一件落着。でも「自分で作れたからいいじゃないか」じゃなくて、ちゃんと網戸を買ってほしかった。廃材を拾って洗って乾かして、しょぼい網戸を作るのは本望じゃないよ。何度言っても踏み台も買ってくれないので、ついにそれまで自作してしまった。

危ないっつの!

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寝室のカーペット

二つの寝室用に、新しい「ムケッ」を買った。ムケッは、コンクリートの床の上に敷く、化繊のカーペットのことだ。トルクメンが誇る手織りの絨毯は、通常このムケッの上に敷いて使う。


この部屋はサロンから続く二部屋のうちの一つ。寝室にはならずに物置部屋になりそうなので、ここを自分の工房にしてミシンや道具などを置こうと思っている。それにしてもこの部屋(家)の壁は、直角や平行ということがないので、写真を撮るにもどこを基軸にしたらいいか、いつも悩む。ムケッは巾3メートルなので、少しだけ幅が足りないのは端切れで補うとしても、平行ではないのでカーペットを設置する基準にも迷う。とりあえず一番長い一遍に合わせて、敷くことにした。

微妙な足りなさ

ドアの前も微妙


ドアの前の隙間は、このように補った。あとはもう一部屋のムケッを切ったときに出る端切れで、長辺を補えば完璧だ。日本人には不格好かもしれないが、トルクメンの家では壁と床が交わる線に沿ってきちっと切ってあるムケッを見ることは稀である。折りたたんであるだけのことが多い。


ガス管にぶらさげた布は、じつはシャワーカーテンだ。奥の壁の外にはお隣さんのトイレがあって、最近頻繁に男の子がその上に乗り、窓から覗くようになったのだ。これには本当に閉口した。窓を覆うように布を掛けたら部屋が真っ暗になったし、白い布に変えても通気性が失われた。そんなとき余っているシャワーカーテンがあることを思い出し、掛けてみた。光も通すし、色味もぴったりじゃないか。うちのシャワー室には色が合わないので持てあましていたが、思わぬところで活用できた。留置所のような部屋も明るくできて、一件落着。
ちなみにムケッの色を選んだのは、ハリルだ。ローズピンクは、わたしならきっと選ばなかった。こげ茶色か鈍い黄土色にしていただろう。ありがとうハリル!

地下水槽

今年の冬は、雨水の保存に失敗したことを以前にちらっと書いた。クミシュテペでは夏のあいだはまず雨が降らない上に、夏が半年くらい続くので、冬のあいだに雨水を溜めておくべきなのだ。厳密には、その半年のあいだに春~夏~秋と季節が移り変わっているそうなのだが、気温が30~40度の猛烈な日照りが続く日々を、わたしは一括りにして「夏」と捉えることしかできていない。
雨水は、飲み水として使っている。うちには家の前に地下水槽が設置してあり、そこに屋根からつたう排水管を通して水を溜めるしくみになっている。地下水槽は、2×7メートルくらいの面積で、深さは2メートルくらいある。



手動でパイプを動かして、どちらの水槽に入れるかを決める

水槽は、1:2ほどの割合で二つに分かれている。小さい方に雨水を溜めて飲み水とし、大きい方には水道水を溜めて、そこから台所や浴室の水道にモーターを使って引いている。家の中に水道は通っているけれど、断水のときに困らないためにそうしているのだ。実際、断水はかなり頻繁にあるので、多くの家が屋外に水槽を置いている。ただし、うちのように大きな地下水槽がある家は多くないような印象だ。たいていは庭に設置するタイプの水槽を使っているし、飲み水は水道水ということが多い。水道水は飲めるのだが、カルキだと思われる白い粉が入っているので、うちでは飲んだことがなかった。しかし雨水がない今年の夏は、仕方なしにそれを煮沸して飲んでいる。気分は悪いけれど、味は見た目ほどの問題はない。
しかしお茶を煎れると一発で分かる。雨水で煎れたお茶の味は、水道水とはまったく別なのだ。ダメとは分かっていても、雨が降らないかと毎日天気予報をチェックしてしまう。嵐が来るという予報を見ては喜び、数日後にその予想は消え… などということを繰り返して、今週は二日連続で少量の雨という予報がある。急いで水槽に溜めていた水を掻き出し、雨水様を待つ準備をした。水槽はコンクリートでできているので、水を入れずに長いあいだ放っておくと、ひびが入ってしまうそうだ。それで少しだけ水道水を入れておいた。掻き出すと言ってもこれは地下水槽なので、地下に降りていって作業しなければならない。はしごはないので、特別な道具を使って、ハリルのサポートのもとにわたしが降りる。


これが雨水用水槽の入り口。50センチ四方くらいだろうか。水槽の深さは2メートルくらいなので、背の高い甥っ子は自分の腕と足だけを使ってひょいと降りて、ひょいと上がってくるそうだ。さすがにわたしにはそれはできないので、ハリル考案のこれを使う。


紐と紐のあいだに両足を乗せて、紐を持ってそろそろと下降する。そのあいだ、水槽の外でハリルが紐をがっしりと持って、引っ張っている。初めてやったときは、あまりの恐怖に時間がかかったけれど、水槽がそれほど深くないことや、残り水の中に変な生き物はいないと分かってからは、下降にかかる時間は一瞬となった。


地下への入り口。雨水(飲み水)を汲み出すときは、この入り口から紐をつけたバケツを使って汲み上げる。水槽を空にしたら壁や床を掃除して、塩をふって消毒し、地上に戻ってくる。掃除はほうきとちり取り、バケツを使ってし、汲み出すバケツの水は地上からロープでハリルが引き上げる。

塩はこの一袋を壁や床に撒く

天気予報は、明日とあさってに少量の雨が降る確率があると言っている。神が許す限り、降っていただきたい。

来客

今日はトルクメニスタンからお客さんがひとり来た。お客さんと言っても、いつものとおりハリルのビジネスパートナーなのだが、彼は初めて会う人だった。考えてみると、初対面のビジネスパートナーを自宅に泊めるなど、日本ではあり得ないことだ。いつかなど、タクシーの運転手も泊めたことがある。トルクメンは遠くから来るお客さんはみんな「ミヒマン(お客さん)」として、手厚くもてなす習慣がある。
いつも国境からお客さんを乗せてくるタクシー運転手はイラン人(ペルシャ人)で、彼とはおもしろいくらいに言葉が通じない。電話で何分話しても、お互いまったく理解できないのだった。でもトルクメニスタンの人はクミシュテペの人と同じトルクメンという民族なので、トルクメン語で意思疎通ができてやりやすい。
さて、お客さんが来ると分かっていたものの、やり残していたカーテンに取りかかった。用意していた布を切って、端を縫い、カーテンロッドにぶら下げた。

茶色のドット柄です

想像したとおり地味だったけれど、この方が絨毯の模様が映えるだろう。冬になったらもう少し分厚くて、派手なものに変えようと思っている。


そして気になっていた玄関にも、布を吊り下げた。こちらはつっぱり棒がぴったりだった。これで夜になっても、裸族のハリルにハラハラしないで済みそうだ。ちなみにこの布は、南アフリカの友人が帰省した際に買ってきてくれた布で、大事に持っている。現地の人は、これを体に巻いて服にしているのだと思う。
カーテンは、お客さん到着前に無事に吊るすことができた。バッタバタで夕食を用意して食べ、明日の朝食用のジャムを煮て、ヨーグルトも吊るした。なにやら明日二人は出張に出るそうで、出発までがまた忙しそうだ。

フックの取りつけ

今回も、チェックイン荷物はぎりぎりの60キロを持って帰ってきた。しかし買物の量は少しずつ減っているような気もする。日本で買うものの多くは冬物の仕事着で、何年かかけて自分たちのものは揃ってきたので、今回はナーセルのものがほとんどだった。食品の買い出しは、ジャスミン茶とインスタントコーヒーだけ。しかしやはりイケアは外せない。ハリルと一緒に車で出かけて、必要なフックなどを揃えてきた。

台所
シンク前の壁にレールを取りつけ、バスケットなどをぶら下げた。あとはその上に棚板をつければ完成だ。

勝手口のそばには、ほうきとちりとり用のフックもつけた
かわいいでしょ。これはジョイフル本田で買いました


台所を出たところの壁には、コルクボードを吊るし、フックもつけた。買い物袋や、家の中ではよく脱ぐスカーフなどを下げている。ここも、コルクボードとフックのあいだに棚板を一枚つける予定。


使わないときは折りたためるタイプのフックだが、イケアの展示場のサンプルにもぽっきり折れているのがあったので、あまり折りたたまない方がよさそうだ。


洗面所の壁には、ミラー付きのキャビネットを取りつけた。ここも、シンクの前に棚板を一枚、取りつけたら完成。虫よけのための網戸も発注したばかりなので、早くここから涼しい風を家の中に取り込みたい。


サロンにある二つの窓には、カーテンロッドも取りつけた。これまではつっぱり棒に小さな布を吊るしていたので、早くカーテンを縫って上から吊り下げたいと思っている。布も、ちゃんと用意してきた。


サロンの壁には、ハリルがいつも脱いでイスに引っかけている服やタオルを掛けられるよう、ハンガーをつけた。これは木の形をしたハンガーで、白と黒がある。寝室にも黒いのを二つつけた。

玄関にも白を取りつけた
玄関は、このハンガーのとなりに棚板をつけて、靴などを収納するつもりだ。



フックも十分に取りつけたので、その上の棚板を待っている。そう、今はひたすら棚板待ちなのである。サイズや個数は一覧にしてあるので、あとはワハブの工房に行って、色などを選んで発注する必要がある。それが完成すれば、モノを収納する場所が増え、だいぶ暮らしやすくなるだろう。家にはキャビネットなどがまったくないのだが、ハリルは「引っかける」という動作以上のことはできない人間なので、なるべく物を少なくして、壁収納でいくのが無難なところだ。
フックやハンガーの取りつけは、壁に穴を開けて、プラスチックの筒を入れ、最後にネジをドライバーで手回ししながらねじ込む。この作業すべてを自分でやったのだが、電動ドリルでコンクリートの壁に穴を開けるのは、息が上がるほど体力を消耗する作業だった。これは明らかに男の仕事だろう。重いドリルが安定せずに、壁を這わせてしまったこともしばしばだが、数をこなしたことでハリルより上手になったと思っている。これで少しは文化度の高いインテリアになるだろうか。

家の補修

台所の問題がまた一つ解決した。休みを利用してクミシュテペに来たジェリルが直してくれたのだ。
台所の水回りは、大理石のワークトップの中央にシンクを入れた形になっている。ステンレスのシンクの手前にも10センチほど石の部分があるのだが、シンクと石のあいだの5ミリくらいの隙間がきちんと密閉されていないがために、そこから水が漏れて床が濡れるので、不便だった。少しだけセメントがつけてあったようなのだが、それがかえってカビたりしていたので、どうしたものかと思っていたら、ジェリルはチューブ入りの糊のようなものを押し込んで埋めていた。

溝の部分が透明になっているところに、その糊が入った。数十分で固まって、そこから水が漏れなくなった。しかも、ジェリルは予備のチューブを置いていってくれたのだった。こんなに気が利くトルクメンを、わたしは他に知らない。


PERMANENTLY FLEXIBLE. 日本人も顔負けの英語表記なり

さて、本題はここからだ。ハウスリノベーションの話です。
わたしが理想だと思う暮らしをしている、いや、理想とはおこがましい。憧れだろう。憧れでも、図々しいかもしれない。この際、「夢の」と言っておこう。夢の生活を実現している人のハウスリノベーションの記事である。わたしはこの人の生活を実際に見たことはないのだが、彼の文章と写真からその質の高さがうかがわれる。自然と共存した生活、に留まらず、芸術的なのだ。
Artistic. 人生には、この側面が必要だ。ただし、それを生活に見出すのはなかなか難しいことなのだ。

寒山小夏日和:http://fireside-essay.jp/tabuti/story/1498.html
(田渕義雄「きみがいなければ生きていけない」より)

文中の「欠陥のない住宅などない。」の一文に、はっとさせられた。自宅の欠陥を嘆くより、それを年月をかけて芸術的に直していくことに喜びを見出すべきなのだ(…だから、それが難しいというんだけれど)。
記事の中の写真にある木皿も、ウィンザーチェアも、あらゆるものが本人の手仕事である。この人を超える豊かで美しい生活が、あるならば見てみたいものだ。

内装工事

二階の内装工事が、ちょうど一ヶ月かかって終わった。以前の工事と比べると、今回の職人は驚異的な速さで仕事をしてくれたので、とても満足している。壁を漆喰で白くしたのは、サロン全体と寝室一つ、台所と浴室の天井、つまり数年前の工事で残っていた箇所だ。これで二階の壁はすべて仕上がった。


サロン(東側から撮影)


サロン(西側から撮影)

うちは東西に長い家なのだが、そのせいよりも、二階は間取りの失敗で異様に細長いサロンとなっている。東西に、軽く15メートル走ができると思う。
工事前はどんなだったかというと、壁の半分はレンガの上にセメントを塗ったままになっていた。表面の凹凸が激しいために、クモやその他の虫が巣を作りやすかったし、砂や埃が溜まって煩わしかったのだ。


サロンの壁は、階段の背面のような状態だった

天井には、シンプルな装飾をしてもらった。凝ったのはやめてほしいと頼んだけれど、それでもこんなにフレームがついていた。もちろん、壁も装飾も職人が素手で仕上げたものだ。数日かかって乾いていくそうなので、壁が乾いたら色は白く、表面はつるつるになるということだった。

サロンと台所を仕切る壁はカウンターになっていて、その上はイスラム的な曲線でくり抜かれている。台所の天井とともに、そこもきれいに仕上げてあった。


作業中


完成後


職人とその友人

すべて一人で作業してくれた職人は、左の長身のお兄さん。しかし右の人は工事とはなんの関係もない彼の友人だ。毎日一緒に作業していたアシスタントは中村獅童にそっくりで写真を撮りたかったのに、この日は来なかったのだった。残念。
内装工事は無事終わった。しかしここからが大変なのだ。漆喰がこびりついた床やその他の場所を掃除し、階段や寝室のドアにペンキを塗る作業が待っている。家全体のカーペットも洗わなければならない。家がこんなに広いのに、その作業はすべてわたしの手によって行われます。

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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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