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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   
カテゴリー「住まい」の記事一覧

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台所

台所の内装は完成した。ここはレンガ壁やタイルなど、自分の希望がだいたい通ったので満足している。西日が当たって、夏はとても暑い部屋になりそうだ。冬はこれまで冷蔵庫のような部屋で食事の支度をしていたので、ここなら少しましになるだろう。

台所とサロンはドアで仕切られている。ドアは希望どおり、サロン側に開く。

シンクをつけた側の壁には、二階からの水道管を隠すための覆いがつけられた。サロンにもついている。思ったよりは洗練されたテクニックだった。

勝手口の外の階段は、石が貼られてきれいになった。二匹の黒トラは、まるで双子のようだ。一匹はタイちゃんの子で、もう一匹はお向かいさんがうちに捨てた、母親不明の猫だ。父親は、二匹ともたぶん例の黒トラだろう。


ふてぶてしい近所の黒トラ。望遠で撮った

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寝室前の階段

ついに南側の壁も白くなった。外装は、完成まであとひと息だ。とはいえ、完成するのは西側と南側の壁だけで、東と北はレンガ壁のままである。北側はお隣さんの許可が出ないので、工事はできないことが分かっている。東側のお隣さんは問題ないけれど、彼らの庭から赤い花の咲く蔓が見事にうちの壁を伝っているので、そのままでもいいような気もする。初めのうちは、四つの壁面すべてが同じ装いでないトルクメンの家に違和感を覚えて仕方なかったが、今は慣れてしまった。そして気がついたら自分の家もそうなっていた。
さて、南側の端にある寝室の出口には、小さな階段がついている。これは夜中にトイレに行く際に使う私用の出口となるはずだ(でもこういう場所は、こどもが好きなんだな)。わたしはひそかに、高いところに猫の居場所を作ろうと思っている。


階段下の階段のはなしです


下段が未完成

階段用の灰色の石だけ新しく買って、あとは職人Kに任せようと思っていたのだが、ここでうっかり作業現場を見てしまい、しばし考えた。まずは、ドアを出たところに貼ってある茶色のタイル。とても変な柄なので、家には使わないようにしたいと思っていたのをバッチリ敷いてあった。この家を造ったときに使った残りのタイルがいくつかあるのだが、このタイルはどこにも使われていないにもかかわらず、数枚のストックがあった。それを彼は選んで使ったようだ。


この白いタイルは絶対に使いたくない。いっそのこと、割ってしまおうか?(笑)

でも、階段の踊り場用のタイルを用意していなかったので仕方がない。これ以上新しくタイルを買ってほしいとハリルに言うのを、わたしもためらったのだ。なにしろこの家の建設には、すでに相当のお金がかかっていて、それがどれだけハリルの負担になっているかを考えたからだ。
さて、残る下の踊場部分はどう埋めるのか。使えそうなのは、茶色、鈍い茶色、灰色の正方形のタイルだった。職人は茶色と鈍い茶色を組み合わせて、全体的に茶色っぽい面を作ろうと考えたようだが、わたしは灰色のタイルと組み合わせてほしいと伝えた。そしてできたのがこれ。

あれー? 失敗か? 茶色でまとめた方がよかったかと思ったけれど、やはり階段となじんでいるような気もするし、どちらでもそれほど変わりないかと思い直した。ここの作業も無事終わり、あと残っているのは玄関前のアプローチくらいだ。しかしハリルは、お金があったら建設(建て増し)を続けたいと言っている。

台所

ラマダンを挟んで二ヶ月近く放ってあった地上階の工事が、突然再開した。まずは、残っていた台所の天板を乗せる作業が終わり、ようやく形になった。

天板の高さは93cmと、希望どおりになったのでほっと一息ついた。天板を壁一面に渡し、シンクを中央につけてある。イラン産のシンクは底が浅いものが多いのだが、使っているうちに慣れたので、地上階にも同じものを買った。蛇口も買物済みなのだが、水道の設置は別の職人がする作業なので、部屋の内装ができあがるまで待たなければならない。水道を設置する際は、せっかくできあがったシンクの脚に、また無造作な穴が開くのだろう。

レンガ壁の下の空いたところには、ガス台をすっぽり納めることになる。窓ガラスもドアもついたので、ここもだいぶ部屋らしくなってきた。


西側の壁。右下が台所

そしてついに完成した、西側の壁。窓ガラスが入り、壁一面が白く塗られた。傍目にはどう見えるか分からないが、わたしはとても満足している。この壁はお向かいの家からよく見える。去年亡くなったアーフンに、ぜひ見せたかった。生前はうちの汚らしい壁を毎日見て過ごしたと思うので、申しわけなかったな。
今は家の前の通りからこのように、西側の壁がばっちり見えるけれど、すべての工事が終わったら、通りと敷地のあいだに高い壁を建てて、プライバシーはしっかり確保するつもりだ。本当にその日が来たら、わたしは泣くかもしれない。

追記:

その後、シンクのまわりにタイルが貼られた。このタイルと床のタイルは、レンガ壁に合わせてわたしが選んだものなので、こうして無事に貼り終えたことに胸が熱くなる(掃除しないとよく見えないけどね)。床のタイルは20cm四方の小さいもので、貼る作業が大変だと職人が文句を言っていたけれど、「他になかった」と嘘をつきました。


シンクまわりのタイルはこういう柄

台所のキャビネット

最後に残った、台所の工事が始まった。なんといっても、ここはわたしにとってのハイライト。大きな力が入る(監視の頻度が上がる)。監視というのは失礼だが、大まかにでも、わたしが計画したとおりに機能する台所にならないと困るので、工事のあいだそばにいて、質問するようにしている。これを家のすべてにやっていたら身が持たないだろう。もう家を建てるのは金輪際ごめんだ。日本でも、リフォームでも、いやだね。


キャビネットの脚

床のタイル張りが終わり、今度はキャビネット造りにとりかかった。キャビネットといっても、吊戸棚はつけないので、シンクとガス台とそれを繋ぐ台がL字型に造られる。ワークトップは石で、脚はレンガを積んで造っている。本当は、ガス台の前のレンガ壁と調和するように、キャビネットの脚もレンガむき出しにしたかったのだが、ナーセルが買い足してくれたものが予想どおりボロボロだったので、レンガは隠すしかないようだ。このままだと見た目はがまんできても、でこぼこのところに虫が巣を作ってしまう。


ガス台の前のレンガ壁(あとで白い目地を入れるそうだが、不安100%)


キャビネットの脚に積むレンガ。廃材か!(笑)

さて、キャビネットの配置については、わたしは細かくスケッチを描いてある。職人Kが説明してくれたとおりの本数の脚を、何cmごとに設置すべきかを計画した。

おまけに、脚の途中に石をもう一枚かませることで、鍋を置くための棚を造るようにした。それからシンクのまわりの壁は、水が飛び散ってもいいようにタイルを貼ることにした。全体の壁は白いモルタルになる。台の高さは90~95cmを指定した。以前から何度も言ってあったが、結局はスタンダードで造ろうとする職人の習性をわたしも習っているので、直前にもう一度確認して正解だった。ちなみにイランのスタンダードは、85cmだそうだ。身長165cmのわたしには少し低いし、台所ではサンダルを履く可能性が高いので、90cm以下だと作業がしにくくなるのだ。


棚部分ができたところ

トップに置く石は、石屋さんが指定の大きさに切ってくれる。すべての資材は、施工主が店で買い、自分で持って帰るのが基本だ。もし配達を頼んだならば、その費用は負担することになる。それから作業の段になって、細かいカッティングを職人が行う。石に関しては、その角をやする作業を職人Kがしている。機械は、職人自前のものだ。これで石を削ったり、タイルを切ったりする。

ところで台所の床は貼ったばかりなのだが、すでにこんな具合だ。ちょっと見では、遺跡の修復現場のようにも見える。


テラコッタ風にしたつもりの、新築の床

壁に面した中央にはシンクを置き、レンガ壁の前にガス台を置く。上の写真で職人が造っている最後の脚は、ガス台の右側にあたる部分で、35cmの幅がある。鍋ややかんを置くと思ったので太くしてほしいと頼んだのだが、これだけの幅をレンガで潰すのはもったいない。そこで前面の上の方に、レンガを抜いて小さな穴を造れないか聞いてみた。小物入れを作れないかと思ったのだ。わたしはできると確信したのだが、職人Kはちょっと考えてできないと言った。要は、面倒なことはしたくないのだろう。換気扇用の穴のように、上の部分にセラミックを被せれば、簡単にできると思うのだが。


これと同じ構造で

でも、床には20cm角の小さなタイルを選んで、職人を余分に働かせてしまったので、ここはすぐに折れることにした。台所の床面積は10平米ちょっとの大きさなのだが、そこに20cm角のタイルを貼るのに職人Kは二日かけていた。ひとつひとつ調整しながら貼るので、大変なのだ。

キャビネットの脚がすべてできあがり、翌日はその表面がセメントで補強された。このあと白いモルタルを塗るか、タイルを貼るかを決めなければならない。わたしの考えは白いモルタルに傾いているが、白くて安いタイルがあるならば、それでもいいかもしれない。

浴室

浴室は、天井以外の内装が終わった。シャワーや電気の取りつけは、天井が設置されたあとの作業だそうだ。

床面がピンクのタイルの部分がシャワー室で、手前のグレーは脱衣所と洗濯室を兼ねている。シャワー部分の床は、少しだけ低くなっているので段差がある。二つの場所は、シャワーカーテンで仕切る予定だ。

タイルはわたしが選んだのだが、買うときにハリルがまた間違えた。脱衣所側の壁には違う色のタイルを選んであったのに、浴室全体に同じタイルを買ってしまったのだ。もうここまでくると、そんな小さなことはどうでもいい。さっさと貼り終えてくれたらそれでいいのだ。
とは言いながら、タイルの色柄にはかなりこだわりのあるわたしだ。でもクミシュテペにある店では選ぶ余地がほとんどない。なんとか許容できるもののなかで組み合わせを考えるので、店の中を一瞥したらすぐに決めることができる。しかもハリルは安いものが好きなので、話はさらに簡単になる。
ところで、イランのタイルの貼りかたは変わっている。最初に壁とのあいだに隙間を作ってタイルを立てて、タイルを粘土で押さえ、そこにコンクリートを流し込んで固めるのだ。わたしが知る限り、タイルとは糊の役目をするパテを壁に塗って、その上に貼っていくものだ。テヘランなど文化度が高い地域では、それも可能なのかもしれないが、このあたりではおそらくパテがなかったのだろう。


陽気な職人H。最近ひとつやらかして、ハリルの雷が落ちた

さて、浴室の外側にはサロンからつながる短い廊下があり、そのつきあたりには洗面台を置く予定だ。

洗面台の前面と床面にもタイルを貼った。水が飛ぶので側面にも貼ろうと思っていたのだが、職人が先に壁を塗ってしまい、もう直せないのだとか。防水の件は、あとから塗料を塗ることで解決しようと思っている。


大丈夫かな、という感じだが


目地を埋めるとそれらしくなる(浴室)

玄関のたたき

工事中の玄関のたたきができあがった。階段には石、たたきにはタイルを貼ってある。階段がタイルだと割れやすいので、割高な石を使うのだそうだ。


サロンから見たところ

このたたきが大きい(広い)とみな言うのだが、余裕をもたせたいと思ったらこうなったのだ。ドドーンとデカいサロンの入口がちまちましていたら、おかしいじゃないか。おかげで、それほどサロンは大きくないのだけれど。

職人は細かいところの処理が下手なように見えるけれど、こんなもんだろう。うちは家自体が台形で歪んでいるし、柱の位置が正確じゃなかったり、壁がまっすぐじゃなかったりするので、あまりピシッとしていると違和感があるくらいだ。なので、玄関のたたきの出来は気に入っている。でも…。

たたきの白いタイルが手前と横の一段だけ別のものになったことは、ちょっと不満だ。家に余っていたタイルを使ったので、足りなくなって買いに行ったらどの店にもおいていなかったらしい。どうやら職人Kは、算数が苦手のようだ。白いタイルを使う前に、枚数が足りるのかを尋ねたのに… などと、いつものとおりハリルに対して滔々と文句を言っていたら、そのおなじみの怒り口調に自分でおかしくなって笑ってしまった。見た目もそれほど違いが分からないし、問題なしとしよう。

家に入ってしまう子牛(No.5 の子)。糞をしたらただじゃおかないぞ。この秩序のなさに、わたしは辟易している。もういいよ。やるならやれ。

台所のレンガ壁

いよいよ台所のガス台の前の壁に着手するときがきた。今回の工事における、わたしの中のハイライトである。
イランの台所は十中八九、セラミック(タイル)で壁が覆われている。表面がつるつるで見栄えはするのだが、実際に料理を始めると、冬場は温度差により水滴がつき、それが滴り落ちてきて床が濡れてしまう。そしてこまめに拭き取らないと、カビが生える。また油を大量に使う料理が多いので、料理の際にそれが壁一面に飛び移り、べたべたになりやすい。そのためトルクメンの女性たちは、油を使うときはなんと外の小さなガスコンロで料理しているのだ。見栄えがいいこと以外は、セラミックの壁はメリットがないとわたしは思っている。
そこで、台所は広範囲にレンガの壁にしたかったのだが、結局は妥協して油の飛びやすいガス台の前だけになった。その他の壁は、タイルを貼らずに白いモルタルにしようと思っている。もちろん、職人たちはそんな台所を作ったことも見たこともない。


レンガ職人H

レンガを積んでくれるのは、Hという職人だ。彼は家を造っている職人Kの弟である。以前にKの助手をしていた人も彼らの兄弟Jだが、Jは電気工でもあるので今は別のところで仕事をしているそうだ。Kは長男でまじめな性格なのに対して、Hは陽気でひょうきんな性格だ。

把手が二つついた専用の道具でレンガを抑え、そこにセメントを流し込んでならしていく。


ここまでは順調にいった

途中、右端のレンガの配置が怪しくなってきた。列の最後の小さなピースをトンカチで叩いて作っているのだが、それが雑なのでちょっと見栄えが悪い。汚れたレンガもはめ込んでしまっている。でもHは楽しそうに作業を進めていく。そこへKがやってきて、「美しく配置しろって言ったじゃないか!」と怒りながら、レンガのピースを持っていって機械でまっすぐに切断し始めた。おかげで最後の数段はきれいに仕上がり、わたしもほっとしている。そのあいだHはニコニコしながら「Kは神経質だなあ」とでも言いそうな顔でこっちを見ていた。ははは


職人K


職人H

職人Hが作業したのに、Kが完成写真を横取りしたので、すかさずもう一枚撮ってくれという。棒で隠れている部分がちょっとがたがたしているのだが、Hの楽しそうな手作業を見ていたので、それを見るたびにわたしは思い出すだろう。
このあとレンガの目地に白いモルタルを入れる予定だそうだ。またレンガ壁の上部の四角は切り取って、換気扇が入ることになっている。換気扇を覆うカバーが売っていないので、それをどうするかが今後の大きな課題だ。


外から見た台所(右側)

家に向かって左側はシャワー室になるのだが、予定していた窓はやめて、そこにも台所と同じように換気扇を入れることにした。シャワー室に換気扇がついている家は、このあたりにはないようだ。

プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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