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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

エビの養殖

仕事のからみで、ハリルはエビの養殖場に行ってきた。そこは以前、うちも羊の群れを放牧していた国境地帯にある。クミシュテペは国境の町なので、北の砂漠をずっと進むとトルクメニスタンに到達する。その途中のなにもない砂漠に羊飼いがユルタを設置して暮らしていたのだが、いまや見渡す限りが養殖用のプールで埋め尽くされていた。一昨年、フロリダ娘さんが遊びに来てくれたときにすでにいくつものプールがあったけれど、養殖場全体はさらに拡大したようだ。


養殖用プール

夏に大きくなったエビは、ちょうど今が水揚げの時期だそうだ。プールの端には水を出し入れする穴があり、そこに網を置いてエビを捕る。


エビ待ち


上ではコンテナが待機

水揚げしたエビは、小さなコンテナに分けて入れられ、氷で冷やして市場へ配送される。うまく網を逃れたエビは、カスピ海へ戻る水路の中へ。

よく太っておいしそうなエビだ。先日、ハリルが市場で買ってきたものとは大きさも鮮度も違った。ハリルはお土産に3キロちょっと買ってきてくれた。地元の価格で1キロ600円くらいで、輸出用には少し高くなるそうだ。
この国境地帯に入るには、兵士が銃を持った検問所を通過しなければならなかったのだが、その検問所は養殖場の北側(つまり砂漠のさらに先)に移動したのでなかったそうだ。検問所のことを考えて今回わたしは行かなかったのだが、写真を撮れなかったことを後悔した(これらの写真はハリルが撮影)。数年前はいつでも行けるはずの秘境だったが、うちは羊の群れを売ってしまったし、養殖場ができて人の出入りが多くなったので今は海水浴にも行きにくい。水路の水位もだいぶ下がってしまったそうだ。クミシュテペでも毎年、自然環境が変わっていくのが分かる。また、経済の状況も悪く変わってきているので、憂鬱な気持ちになる。わたしたちにとってある意味では夢のような場所が、そうではなくなってきていると感じるからだ。


(3kg以上を一気に捌いて手が穴だらけに)

でも新鮮なエビの刺身が食べられるという、別の可能性が開けた。ブリブリというくらい弾力があって、まるで果物のようだ。

“There's no great loss without some small gain.”

「大草原の小さな家」シリーズで、一家が大きな損害を被ったとき、ローラの両親はいつもこう言っていた。大きな損失には必ず小さな獲得がついてくる。

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  • by mizuki
  • 2015/10/08(Thu)19:05
  • Edit
 エビが大好物なのでよだれがたれそうです!大変なことが続いたあとに体調を崩してしまい、最後に流行中の風邪までもらってしまい、何か美味しいものを食べて元気をつけたいなと思っていたところにブリブリの弾力の採りたてエビ。はぁ~、ため息が出ます。

 しかし環境が変わっていくのは残念ですね…。お金にならない場所ならずっとそのままなのでしょうけど、自然の恵みと魅力のある場所は遅かれ早かれお金を産むために使われることになってしまいますものね。

mizukiさん

  • by 砂漠人
  • 2015/10/09 03:40
そうだったんですか。今はだいぶよくなりましたか?
エビの刺身は病み上がりにちょっとあれですが、
なにかいいものがあるといいですね~。
ここだったらアウズ(初乳)があるのになあ。

お金になるならなんにでも手を出してしまうのは、人間の悪い面でしょうね。
いずれ地球も売りに出すでしょうね。って、もう出ているか!

プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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