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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

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日本での食生活について・その1

ハリルは日本に住んで、いったいどういう食生活を送るのか、興味があった人は多いと思う。わたしもその一人だった。ところが実際は、実家に居候していたので、母の台所を砂漠仕様に変えることはできず、多くは実践することができなかった。日本の(母の)台所と砂漠的台所は、どれだけ勝手が違うことか! どうやったら両者が融合できるのか、わたしには見当もつかなかった。それでも、いくつかのアイディアは試すことができた。
ハリルが日本で作り始めた食事の一つは、魚のスープだった。スーパーによっては、まぐろの粗や大きな魚の頭を安く売っているところがある。彼はそれを買ってきて、よく洗い、大きな鍋で煮る。沸騰してくると、血や脂など余分なものが出てくるので、すばやくすくってきれいにする。そのまま煮込み、やわらかくなったら骨や皮をとり除き、スープを作る。
そこにじゃがいもやたまねぎ、にんにく、トマト、キャベツなど色々な野菜を入れて煮込む。味つけは基本的に塩だけだが、ターメリックや唐辛子を入れるとパンチの効いたスープになる。ハリルは、イランでよく使われるドライレモンを最初から入れて煮込んでいたけれど、新鮮なレモンやライムがあるならば、食卓でそれを絞るといいと思う。魚独特のにおいが気になる場合は、にんにくを効かせたヨーグルトソースを添えるといい。
このスープは、野生の肉(魚)を材料とするオーガニック食品である上に、安上がりだ。こういった食事を日本でも実践することができた。
肉に関しては、挽き肉でよくケバブ(肉団子をグリルしたもの)を作っていたのだが、コストコで売っているアメリカやオーストラリア産の肉が一番いいとハリルは言っていた。日本産の挽肉は数種類試したものの、どれも繊維質が足りず柔らかすぎるし、肉の味がしないそうだ。一方オーストラリア産の肉は、放牧されて草をたくさん食べているからいいのだとか。
ほかには、食パンなど、日本のふわふわパンがどうしても受け入れがたかったようで、しばらくすると、小麦粉を買ってパンを焼き始めた。初めは強力粉、水、塩、ドライイーストだけを使ったパンを焼いていたものの、それでも満足できず、全粒粉を混ぜたり、モラセスを使ったり、最後にライ麦粉を混ぜることでなんとか落ち着いた。もちろん小麦粉の値段がとても高いので、コストコで23kgの大袋を買って、コストを下げることも忘れずにした。お金のことを考えなければ、高品質のパンを買うことくらい日本では可能だろう。けれど、日常的に食べるパンに大枚をはたくことは、砂漠式ではないのだ。
それから、ヨーグルトも欠かさず作っていたし、豆乳も喜んでいた。ただし、パックされたものより、豆腐屋さんでできた豆乳の方を好んでいた。牛乳に関しても、日本のものは質がいいと言っていた。
わたし自身が気づいたことは、日本の食事は市販のドレッシングやソースを多用するということだ。伝統的なトルクメン料理にはないものなので、食卓に何本も瓶が並んでいる光景は違和感があった。それからなんといっても、醤油が辛い! なんでも醤油をかけるので、全体として塩辛いのだ。しまいには、野菜のお浸しなどは醤油をかけずに食べるようになっていた。この点は、わたしは日本人らしくないような気がする。何年も醤油を口にしなくても平気なのだから。
ついでにもう一つ、「味の素」的な調味料が気になった。カレーライス→カレールー、麻婆豆腐→麻婆豆腐の素、ゴーヤチャンプルー→チャンプルーの素、鶏のから揚げ→唐揚げ粉、味噌汁→だしの素、などなど。これは料理なのか? と皮肉を言いたくなるような手軽な調味料を使って食事を作る。ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」に、これらは該当するんだろうか。日本の家庭料理ほど、出汁やうまみをインスタントに頼っているものはないような気がするのだが。

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  • by May
  • URL
  • 2016/09/16(Fri)08:46
  • Edit
魚のアラや頭はNZでも安く売っていて、それをスープにするのは良いアイディアだと思いました。(ただねぇ、ゴミの日が週一回で、有料のゴミ袋がうちの家庭には大きすぎて一週間ではいっぱいにならないので、2週間に一回出してるのですね、それで魚を買う日を考えないと、下手して2週間近く置いておくハメになって、非常に臭うのです)

日本の肉は柔らかいですね。こっちの肉は歯ごたえがあります。
パンも、家で焼けるのなら、その方がずっと安上がりですね。(って、うちは大して消費しないので作っていませんが、作った方が添加物無しでヘルシーですよね)
醤油・・・日本にいた時、20平方メートル程度のマンスリーアパートにいて、キッチンがまともに使えなかったので、よくスーパーで出来合いのお惣菜や弁当を買っていましたが、あれ、辛すぎて(味が濃すぎて)食べられたものじゃないですね。(昔は平気で食べてた自分が恐ろしい)
しまいには小さなキッチンで自炊してました。
今でも醤油は持ってますが、煮物にも小さじ1杯ほどしか使いません。
ほとんど味無しですが、”素材の味を活かす”というのがいいです。

”基的”な調味料ね~~!!
娘も妹もバンバン使ってます。ケミカルの塊ですね。
大体安いですしね、百均でも売ってるしね。何も考えなくていいから忙しい都会人にとっては楽だしね。
私はもう無理です。

海外ではよく”和食はヘルシー!”と言われ、作って作ってとも言われますが、今回のアメリカ訪問では、申し訳ないけど、”和食”というのは特になくて、食べ方のスタイルだ(三角食べ、みたいな)、と説明させていただき、作りませんでした~
京の高級料理店でもなければ、鰹節を昆布から出汁を取って、ということはしないので、普段日本人が食べている”いわゆる和食”は決してヘルシーでは無いと思います。アミノ酸バリバリよね・・・

口から入るものが、その人を作る、という観点から葉リル氏とkumikoさんには大いに同感です。

あと、スーパーやコンビニのお菓子!
娘や妹や姪っ子、新商品が出ると買って食べていますが、あれもケミカルの塊よね、恐ろしい。

もし長生きしたら、食べ物の大切さを伝えたいと思いますが、どうでしょう。そういう機会があるかどうか・・。

Mayさん

  • by 砂漠人
  • 2016/09/17 00:29
食べものの大切さって、日々の食事を続けることで、それを子供や孫が見ることで伝わっていくんでしょうけど、もはや核家族で一緒に暮らしていませんからね。だからわたしみたいな退廃的な食生活になってしまうんでしょう(笑)。いや、笑っちゃイカン!

No Title

  • by May
  • URL
  • 2016/09/16(Fri)08:48
  • Edit
すみません、ハリル氏のハが葉になってしまいました。

プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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