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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

キティやロチのこと

本当にいろいろなことが起こる。と言っても、またうちの動物の話だが。
つい数ヶ月前に、具合が悪くなって死ぬかと思ったキティは、その後持ち直して元気になり、とうとう性的に発情したようだ。彼女は二年前に産まれた猫なので、成長がかなり遅かった。同時に産まれて順調に育った猫たちはまとめて南庭に移されて、その後ほとんどがいなくなってしまった。毎晩、特別に家の中で寝ていたキティだが、昨晩は初めて戻ってこなかった。実際には戻ったかもしれないが、わたしは一度寝入ると朝まで目が覚めないので、気がつかなかったのだ。そして今晩も帰ってこないだろう。キティを追いかけているのはロミ夫とサーリジャ、そして黄色い野良猫だ(ロミ夫にそっくりなので、彼の息子か?)。どうやらキティは、大好きなのに見向いてもらえなかったサーリジャまでも、今は手玉に取っているようだ。大事に育ててきたのに、ついに子猫を量産するただの雌猫になってしまった。いや、大事に育てたから、子猫を産めるようになったと喜ぶべきなのか。今のところチーちゃん、タイちゃん、ガウシャンが妊娠しているようなので、キティは遅れて、春が来てからの出産となるだろう。考えると、気が重い。
そして雨が降って暗かった今日、一匹の黄色い猫が戻ってきた。その猫は、わたしが玄関を出るとニャーニャー言って家の中に入ろうとしてきたのだ。全身黄色の猫はロミ夫ではなく、見覚えのある別の猫だった。少し前にいなくなったマイケル(♂)と、一年くらい前にいなくなったロチ(♂)のどちらかだとすぐに思ったが、それはロチだった。二代目ガウシャンが帰って来たときと同じように、当たり前のように近づいて来たし、鳴きつづけて何かを訴えていた。撫でてやると、ものすごく甘えたいようだった。ロチの顔には、大きな穴が空いていた。右頬が、引っ掻かれたのか噛まれたのか、大きくえぐられていて肉と血の色が見えている。手当のしようがなく、ストーブの前に置いた布団の上で頭と体を撫でつづけた。ロチは数年ぶりに母親の元に戻ってきたこどものように、とにかく甘えていた。ずば抜けて体格のいい猫だったが、痩せてしまって、頭が大きく見える。あいかわらず手足は長いので、また太れば立派な猫になるだろう。しかし一年以上の野良生活のせいか、その臭さが半端ない! なんのにおいなのか、とにかく野生のにおいがするし汚れているので、膝の上に乗りたがっていたのだが、やんわりと断った。するとわたしの体に一所懸命なすりついていた。ううう。
かなり長いあいだ撫でてやって、ようやく寝入ったかと思ったのだが、そばで横になっているわたしにまた近づいてきた。わたしが歩くとどこまでもついてくるので、眠るまで目の前で添い寝をしてやったのだ。とにかく自分の体を一所懸命こすりつけてくるので、おかしくなって「フッフッフッ」と声を出して笑ってしまった。そうしたら! なんとロチは正面からわたしの顔を襲ったのだ。爪なのか歯なのか分からないが、鋭いものが顔面に突き刺さったのを感じた。痛い! 慌ててロチを顔から剥がした。猫は、人間が笑ったり泣いたりするとその吐息の荒さに反応するのか、たしかに顔に近づいてくることがある。しかし今日は寝転がって無防備に笑っていたときなので、防御する間もなく狩られてしまった。鏡を見たら、三か所切られていて、小鼻のところの3ミリほどの切り傷から血が流れていた。これじゃロチとおそろいだよ!
しかしその後も、甘えているのは確かだが、餌をねだって足に噛みついたり凶暴さがひどいので、ロチは外に出すしかなかった。今は誰も使っていない猫ハウスに入っているので、朝までそこで過ごすだろう。そして逃げていくこともないと思う。「ロチ」と呼ぶと反応するので、自分の名前も思い出しているだろう。とりあえず、顔の傷が治るまでは気にかけてやらねばと思うものの、こんな凶暴な猫は飼ったことがない。どうしたものか。過去のブログ記事を読んでみたら、ロチを里子に出そうとしたときも手を深く噛まれていた。
今は顔の怪我が痛くて神経質になっているのかもしれない。うちを思い出して帰ってきたのだから、すっかり安心して落ち着くまで面倒を見てやりたい。ほかの猫や犬たちには、自分からすり寄ってあいさつしているようだ。同世代の兄弟で残っているのは、サーリジャ(大)だけだが、お互い覚えているのかどうか。

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猫たち

  • by 真奈美
  • 2018/02/10(Sat)07:57
  • Edit
こんにちは、はじめまして
いつも更新を楽しみにしています。
今や日本ではできなくなった自然と共に生きる暮らしに憧れつつ、聡明なクミコさんに本当に関心しています。猫好きな私は今回の記事を読み、エールを送らずにはいられない気持ちでコメントをさせていただきました。
ロチの顔の傷が膿むことなく体も快復しますように、また、クミコさんの傷もきれいに治ります様に!!!

真奈美さん

  • by 砂漠人
  • 2018/02/11 01:13
そ、そ、聡明な(笑)! ありがとうございます。自然と共生する暮らし、理解してくださってうれしいです。そして、とても励みになりました! 本当にありがとうございます。

プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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