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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

ロミ夫

 南庭にいる犬のガチガチが、うちの動物の中で一番の年寄りになった。わたしたちがまだスウェーデンにいる頃から、うちの敷地で飼い始めた雄犬だ。


 いつも一番に走ってきて、撫でてほしそうにしていたのに、今は呼んでも来ないときもある。夏の初めに毛が抜けきらないであまりにみじめな姿だったので、櫛で梳いて毛を抜いてやったら、少しあか抜けたようだ(それでも上の姿)。

 今の家に住んで一年目に飼い始めた猫、チーちゃんとロミ夫も年を取ってきた。じつは、ロミ夫はもう死んでしまったんじゃないかと思っている。数日前に見かけたきり、うちに戻っていない。戻ってきたときに二回ほど、ヤギのミルクをやったらゴクゴク飲んでいた。でも体はマッチ棒のように痩せてしまっていて、顎のあたりのケガが治りきらず、固形物は食べられなくなっていたようだ。その甲高い鳴き声は、力のない悲鳴に変わっていた。
 最後に来たときは、家の中に入れてくれとロミ夫は言っていた。でも体があまりに汚れていたので、どうしても家の中に入れることができなかった。それを後悔しないと言ったら嘘になるが、それでよかったのだとも思っている。どこか、いつものねぐらに行って、静かに息を引き取ったのだろう。
 ロミ夫は素直でやさしい猫だった。どの猫にも攻撃的な態度は取らなかったし、チーちゃんは何度もかわいい黄色のこどもを作った。雄猫らしく外に出かけて何日も戻らないことがあったが、決していなくなることはなく、うちを拠点にしていた。チーちゃんとともに、思い出も多く、一番思い入れのある猫だ。でも、自由に生きて自然に死んだのなら、それでいいのだと思う。最後に撫でてやったり、お墓を作ってやることは、ロミ夫にとって特別な意味をなさないだろうから。

最後になってしまった十日前の写真。タイちゃんの後ろにロミ夫

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  • by Tamihime
  • 2018/07/14(Sat)11:20
  • Edit
ヤギのおっぱいには笑えました。日本の店には形が整ったものしか置いてないので、双子の果物からヤギのおっぱいを連想するという楽しい想像はありませんね。(残念)
動物たちの生死も外からの手が加わらず、苦しみもあるけど、自然な成り行きで決まる。
当たり前の中で生きることの希少な価値の尊さが、砂漠人さんのブログから伝わります。
見かけは汚く汚れた犬(ごめんなさい)は実はとても犬の尊厳を守った生活を送っているって事なんですよね。
便利さや長寿を追求するあまり、精神を追い込んでいる私たちは価値観の見直しの時期にきている気がします。

Tamihimeさん

  • by 砂漠人
  • 2018/07/15 03:07
最初にヤギのおっぱいを搾ったときは、なんともいえないセクシーな形だなあと感じました(笑)。

ここは、日本のペットとはまったく違う、動物の生と死がありますね。大事なロミ夫ですが、野良と変わらず、誰にも邪魔されない場所で1~2日かかけて眠りについたんだと思います。
長寿の追求、考えさせられますね。日本で祖母や伯母が入っていた病院や施設に何度も見舞いましたが、人間の最期というのはこんなことになるのか… とショックを受けずにいられませんでした。犬も猫も、食べられなくなったり歩けなくなったら、それはもう死を待つことになりますが、それが自然ですね。

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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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