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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

ロッパー・ハリル

 ハリルは砂漠で牛や羊を追うとき、いつも日本のスニーカーを履いている。五年かけていろいろ履き倒した後にたどり着いた最高のスニーカーは、タイヤメーカーDUNLOPのものだった。他のどのスニーカーも、砂漠のでこぼこ道を歩き回るとすぐにソールが取れてしまったけれど、DUNLOPだけは取れたためしがない。壊れるとしたら、アッパーのどこかに穴が開いてしまうのだが、少しくらい穴が空いても靴の機能は依然として保たれるので、何か所にも穴が空いて、文字通りボロボロになるまでハリルは履いている。しかもそのスニーカー、ネットで買えば一足3,000円くらいの値段だ。30cmのスニーカーを見つけること自体難しいのに、こんなに用途に合致したものが安く手に入るので、ありがたい。DUNLOPのスニーカーについては、以前に取り上げられていたネット新聞の記事も読んだ。しかしライターは「自分では履かない」などと最後に書いていて、びっくりした。

赤点の部分を縫っています

 さて、上の写真は、ソールが取れて修理に出したスニーカー。クミシュテペでは靴は直して履くのが当たり前だし、日本や欧米のクオリティのスニーカーを履いている人はまずいない。今回の直しは、二足で10,000トマン(250円)。安すぎて心配だ。
 最近また、米ドルに対するリヤル(イランの通貨)が暴落していて、国内の経済は混乱しているようだ。対日本円もここに来た頃(5~6年前)は1,000トマンが43円くらいとして計算していたのに、いまや25円になっている。ということは、ドルや円を持ち込んでリヤルに換えて使えばウハウハじゃないか! と思う反面、イランの経済が破綻してすべてが紙屑になるリスクも考えると、難しい選択だ。しかし収入が増えない、または減っているにもかかわらず物価が高騰するだけなので、人々にはかなりの不満が溜まっている。ちょっと街に出ると、その話題ばかりで、ちょっと怖くなってきた。うちも御多分にもれず、まったく収入がなくなってから久しい。牛や羊は完全に赤字だし、ハリルの貿易関係の収入も、途絶えている。今はただ、モンゴルの肉の仕事の成果を待つばかりだ(ポシャっていないだけ、希望がある)。その前にイラン政府が倒れて混乱したりしないといいのだが。
 話を靴に戻すと、ハリルはこどもの頃、ろくに靴を持っていなかったそうだ。一足だけ、お兄さんと共用の、学校に履いていくための靴があったそうだが、午前授業のお兄さんが帰ってこないと学校に行けなかったんだとか。友達にもバカにされるので、「うちには靴が十足あるんだ! 大事に取ってあるんだ」と見栄を張っていたという。その話を聞くたびに、ハリルには靴を不自由させないようたくさん買ってあげようと思ってしまうのだが…。これって貢いでいるんだろうか。                                                                                                                                                                                                                                       
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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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