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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

犬猫について

今日はハリルが悪いニュースを持って帰ってきた。南庭の犬たちに餌をやっているとき、老犬ガラウェズ(キング)に手を噛まれたそうだ。それでワクチンを打ちに行ったのだが、そこで医者から文句を言われたとのこと。
イランには狂犬病があるので、犬や猫に噛まれたらワクチンを打つ。ところがそのワクチンが非常に高価なものらしく、保険に入っているので患者はそれほど支払わなくて済むものの、クミシュテペの診療所がそれを負担することになる。医者が言うには、ハリルは一人で何度も打ち過ぎだそうだ。
たしかにハリルは、わたしが覚えている限りでもこれまで3回は打っている。そのうち2回は飼い猫と飼い犬に噛まれた。きっとハリルは「うちには犬と猫がたくさんいすぎてどうしようもないんだ」と話したのだろう。野良をケアする施設などがあるはずだろう、と医者に尋ねたら、クミシュテペでもそういう議論は行われたのだが、結論は、増えすぎたら殺すということになったそうだ。だから、殺処分してほしい犬や猫がいる場合、連絡すれば取りに来てくれるという。
最初の一匹だったチーちゃんが毎年子猫を産むようになって、わたしはこのときが来ることは想像していた。猫を飼う習慣のない地域では、避妊ができない限り、数が増えたら殺すしかなくなるだろう。市の政策がそうであることも今日はっきりしたので、絶望的だ。
毎日毎日、ハリルは家畜の世話のほかに、犬と猫のために餌を買いに鶏肉屋へ、パン屋へ出向いている。ひょっとすると、犬猫の餌代にはわたしたちが食べるよりも多くのお金を費やしているかもしれない。子犬や子猫も合わせて41匹となった今、その負担は体力的にも経済的にも大きいのは事実だ。
牛や羊は食べていくための家畜なので、人間がその生をコントロールしている。うちなどはコントロールしていない方だが、それでも犠牲祭のときは殺している。犬や猫は食べるためではないけれど、庭を守らせたり、ネズミを捕らせたり、かわいがって癒されるために飼っている。食べるわけじゃないから、その生をコントロールしてはいけないという理屈は、あまり論理的じゃない。実際、避妊という形で解決するのが日本の場合だ。
しかし、自分の大事な犬や猫を、どうして殺すことができるだろうか。殺処分に出すくらいなら、自分で安楽死させてやりたいと想像したのは確かだが、子猫を前にして、成長したチーちゃんやロミ夫を見て、そんなことは非現実的に思える。しかし50匹、60匹、100匹の猫を目の前にしたら、どうだろう。餌をやったり庭に置くのは現実的ではなくなるだろう。
ぼんやりとした嫌な予感がして、子猫を眺めても悲しくなってくる。

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ヤハナ

ヤハナは、魚を使ったチェクディルマのことだ。魚を揚げて、たまねぎ、トマトを炒めて水を入れて煮込み、お米を入れて炊き上げる。


アークバールク(白い魚)。軽くフライ


にんにく。刻む


レーズンも入れる

今回は切り身の魚を使ったので、頭でダシもとっておいた。煮込むときに水ではなくてスープを入れる。



たまねぎは色づくまでゆっくり炒め、トマトを入れて水気が飛ぶまで炒める。スープを足してグツグツ煮込み、いい感じになったら米、にんじん、レーズン、にんにくを一緒に入れる。にんじんは細切りにする。揚げた魚も入れるけど、煮込みすぎないうちに鍋から出しておく。

途中で何度か蓋を開けてかき混ぜたり、蓋についた水分を捨てたりする。これが日本米の調理と違うところだ。お米が炊けたらできあがり。煮込んでいるあいだにサラダを作ったり、ピクルスを盛りつけたりしておく。

今日も簡単なトルクメンの食卓のできあがり。朝はパンも焼いた。

チーちゃんタイちゃん

タイちゃんの子猫4匹は、庭にある小さな小屋の中でタイちゃんが育てていた。しかしニワトリが頻繁に出入りしたり、子犬が入ったりして落ち着かないし、子猫に虫もつくだろうと思い、家の中のチーちゃんの猫ハウスのとなりにタイちゃん一家も移すことにした。


左がチーちゃん。子猫たちは行き来している

ところがそうした途端に、タイちゃんはほとんど子猫(家)に寄りつかなくなり、外で雄猫たちと戯れるようになった。あまりに長い時間戻って来ないので、見かねた(?)チーちゃんが子猫たちの世話を始めた。


「タイ子はどこ行ったの!」

となりのハウスから移ってきたタイちゃんの子の匂いを嗅いで、舐めたりミルクをやったりしている。チーちゃんとタイちゃんは親子なので、匂いが似ているのだろうか? 2匹は毎年同じ時期に子猫を産むので、結局はどの子猫にも分け隔てなく授乳するようになる。


遊び疲れて爆睡するタイちゃん

タイちゃんが戻ってきたとき、チーちゃんはタイちゃんにお仕置きをしていた。タイちゃんはこれまで自分の子猫を慎重に育ててきたので、悪い母親だということはないだろう。家の中で安全なのと、チーちゃんが側にいるので少し油断しただけだろうか。
しかしタイちゃんはほとんど家に戻らなくなり、庭でロミ夫、アークジャ、黒トラ(ほとんどの子猫の父親)に追いかけられている。ハリルも「二度目の出産は受け入れがたい…」と言うし、わたしはタイちゃんの子猫を庭に戻すことにした。子猫を守るという仕事があれば、雄猫とのつきあいも少しは減ると思ったのだが、どうだろう? 今朝はロミ夫が子猫を抱えるタイちゃんに添い寝していたが…。

一方チーちゃんは、一日のほとんどを子猫との添い寝に費やしている。子猫が寝静まるとその場を離れ、餌を食べたりわたしにくっついて寝たりしている。チーちゃんの甘えっぷりがかわいいけれど、まさか「これからまたわたしの春が始まるから、子猫たちをよろしくね♡」と言っているんじゃないだろうな。もう孫の世話はたくさん、自分で面倒みてちょーだい!
南庭を合わせると、現在猫の数は23匹になっている。犬は18匹。

タロージロー

イランは新年を迎えた。正確には、3月20日の午後に年が明けたそうだが、その日は元旦とは考えず、日付としては21日からが1396年なのだそうだ。いずれにしてもわたしの頭の中はほぼ西暦で機能しているので、あまり実感がない。曜日はほとんどイラン暦で考えるようになったため、月日もイラン暦を覚えれば簡単なのだが、これがなかなか実行できない。今年はやってみよう。
そして例によって、イランのトルクメンは新年のお祝いを特にしない。外国のトルクメンはノウルーズを祝うようなので、これはイラニアン・トルクメンのペルシャのお祝いに対する静かな反抗の態度なのだろうか。
砂漠の春も雨が降ったり肌寒くなったりして、不安定だ。しかし確実に緑が増している。


ハリルが種を植えた桃。小さい苗になり、葉が生え出した

ハリルは庭のまんなかに、果樹の苗や挿し木をして春に備えている(まったく懲りていない)。今年は牛がいないのでましだと思うが、犬や猫が木で体を掻いたり、おしっこをひっかけたりしているので、依然として期待はできない。

タローが病気になったときにかけてやったTシャツを、ジローがあちこちに持ち運んではその上に座っている。自分用の座布団にしているようだ。
病気ですっかり小さくなってしまったタローは、ジローよりも気力が強い。体の大きさでは負けるのに、餌を前にすると凄むので、ジローが遠慮して食べなくなっている。犬にも猫にもヒエラルキーがあり、子犬の頃に現われるそれは、大きくなってもまず覆ることはない。


手前がタロー

ここは台所のドアを出たところにある、犬猫の餌用の簡易キッチンだ。小さなガス台の上に大きなガザン(鍋)を置いている。風で火が消えやすいので、金属の薄い板で周りを囲ってある。鍋には蓋がなかったので、大きな強化ガラスで代用した。それは台所のガス台についていた、カバーを外したもの。
餌は鶏肉屋で譲ってもらう「捨てる部分」を熱し、水を加え、そこにパンを加えて作る。鶏の皮や脂肪からかなりの油分が出るので、高カロリーの餌になるのだ。これをうちの4匹と南庭の犬たち、それから近所のアークジャ(猫)にやっている。うかうかしているとニワトリもつまみに来るのだが、最近は子犬たちが追い払ってくれるので面倒がひとつ減った。

カステラ

 暖かくなったからか、このところニワトリたちが卵をたくさん産むようになった。それでまた、卵をたくさん使うレシピを調べていて、今回はカステラを作ろうと思い立つ。

材料は牛乳75g、小麦粉150g、砂糖150g、溶かしバター50g、卵白と卵黄6個分。レシピをいくつか読んで、適当に配合した。卵白、砂糖、バター・卵黄・牛乳、小麦粉の順に混ぜて、生地を型に流し、弱めの火で40分焼いた。

ラップに包んで一日寝かせたりするといいようだが、わたしはパウンドケーキのようにしばらく布巾をかけておいただけで、冷めた頃に食べてみた。

外側が、ダックワーズという名前のお菓子を思い出すような食感だ。この配合だと甘さが控えめなのと、カステラに比べるとしっとり・もっちり感に欠ける。けれど、パウンドケーキとは違うたまごのおいしさが感じられたので、同じ配合でまた作ろうと思っている。

毎朝、パンを焼くことも続けている。温度計のないガスオーブンでも、こまめに使い続けると温める時間や炎の大きさを調節できるようになるものだ。最初の頃は焼きがあまめで、だんだん強く焼くようになり、今はマイルドな焼け具合に落ち着いている。


かりんジャム。最近は自分でジャム用の果物を少量買っている

チーちゃんの子猫たちは目が完全に開いて、歩きの練習を始めている。一日のうち多くの時間を子猫との添い寝に費やしているチーちゃん。それでもときどき外出しては、雄猫たちに追いかけられている。まずいと思って子猫を玄関まで持ってきて、わざと鳴かせると、チーちゃんが走って戻ってくる。すまんな。


しあわせそうだね

 
キティ。いつも隙がないね

 

タローが回復か?

今日は子犬のタローにいい兆候があった。朝、パンを焼いているときにふと庭に通じるドアを開けたら、タローだけが近くにいた。昨晩は餌を食べたそうにして、でも匂いを嗅ぐと避けてしまっていた。それでも立ち上がって自ら餌のそばに来るのは大きな変化だったので、朝は食べるんじゃないかと期待していたのだ。そのとおりになって、うれしい。食欲が戻れば、回復するだろう。

タローの具合が悪くなってから、一週間くらい経った。なんの病気か分からないが、子犬のときにこれに罹って死んでしまうケースは、これまでも多くあったのだ。とくに拾ってきた子犬は、ほとんどが死んでしまった。わたしの覚えている限りでは、この病気から生き延びたのはアッコだけだ。


黒のジローはまったく元気

ある種のウィルスに感染しているのだとすると、ジローに移ってもおかしくない。というより、必ず移るだろう。しかしジローは今のところどんな症状も発していないし、やたらに食べて走って元気だ。体もタローよりだいぶ大きくなっている。今回はタローの具合がおかしいとなってすぐに注射をしたり、嘔吐によって失われた電解質を調整するための水分を与えたりしたので、効果があったのかもしれない。タローの死を覚悟したけれど、よかったよかった。
しかし問題は他にもある。警察は犬狩りをこれまでより強化しているようだ。今朝もジャポンとバグティが庭におらず、町では撃たれた犬たちの噂があったそうで、ハリルは彼らが死んだと思ったそうだ。もう何度目だろうか、わたしもこの二匹については何度も失ったと思った。しかしその日はいつかきっと来るだろう。


今朝のパン

今日はフムスを作ってみた。残念ながら練りごまがなく、ごまをフープロで練ってみたものの、粒が残ってしまったので、全体的になめらかなペーストにはならなかった。


フムス?

フムスというものは何度か食べたことがあるけれど、おいしさのコツがいまいち掴めていないので、もっと本物を食べてみないとだめだと思った。味は限りなくマイルドで、パンチはないけれどじわじわとおいしいような、そんな風だった。
さて、チーちゃんの子猫たちの目が開いた。まだ手足の力が弱くて腹這いにしか歩けないが、撮影のために段ボールから出した。

ちなみにキティは生後一年だというのに、まだ体が子猫のようだ。頭の大きさも、新しい子猫とそれほど変わりがないように見える。

アークバールク

今朝はパンを焼いていたら、親戚の漁師がまたアークバールク(白い魚)を持ってきてくれた。そして今日は2尾のうち1尾にキャビア(たまご)が入っていた!

これはバター炒めにして、パンと食べるのがクミシュテペ風だ。クミシュテペはカスピ海沿いの町なので、砂漠地帯とはいえ、漁師の町でもある。


小麦粉:全粒粉=1:1


冷めてからスライス

お昼は、魚を焼き網で焼いてデュシェメという料理にした。ジャガイモを油を敷いた鍋の底に置き、魚、たまねぎ、にんにく、レーズン、ゼレシュクなどを順に乗せていき、最後に茹でたお米を敷き詰めて弱火で炊く。できあがったら上から順に、お皿に盛りつけていく。


デュシェメ

そして夜にはキャビアを食べた。トーストしたパンにパセリバターを塗り、キャビアを乗せてかぶりついた。おいしい。さすがにここまで来るとワインが合うんじゃないかと思うけれど、イスラム共和国ではアルコールは禁じられております。

 

それから今日はタイちゃんが出産した。黒っぽいトラ柄が3匹と、黄色いトラ柄が1匹だった。またしても、ロミ夫の子が1匹(笑)。

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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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