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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

夏の宿題

8月も半ばになり、もうすぐ夏が終わってしまう… と、少し焦ってきた。まるで夏休みの宿題が進んでいない小中学生のよう。
冬のあいだは寒いのと水温が低いのとで、大がかりな水仕事ができなくなる。それで作業ができるほど暖かくなるまでじーっと待っていたはずなのに、今はどれも終わっていない。毎日暑くて、効率よく仕事をしないまま、あっというまに三ヶ月が過ぎていったのだ。しかしあと一ヶ月ほどで、巻き返さないとならない。
この夏の宿題は、二階の床の掃除とカーペットの洗濯、そして階段と寝室ドアのペンキ塗りだった。ラストスパートをかけて、やってしまおう。

床の白い粉を落とす作業です

朝と夕方の鶏の世話、庭の水やりがとりあえずこなしている日課だが、夕方は草取りをしたりして喉が渇くので、一度休憩を取って冷えた麦茶を飲むのがなによりの楽しみだ。お腹が空いていたら無花果や桃を満足するまで食べて、それからまた庭仕事に戻る。日が沈むのは、今の季節で8時くらいだろうか。そのあと、軽い夕食を食べて寝る。
 
今週買った平たい桃

ハリルは毎日、夕食にほぼ1個食べている

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園芸

まったく、園芸というものは!
植物が予想を超えて育つと力をもらえるが、実際は予想に反して枯れたり、なぎ倒されたり、動物に食われたりする方がよっぽど多いのであった。そのたびに「もう、やめたい。」と思うわたしは、根気がなさすぎるのだろうか。それとも、誰か(ハリル)が植えた果樹だから、いまいちやる気が出ないのだろうか。グングン育つどころか、2~3日水をやらないと葉が枯れ落ちてしまうこの状況(連日の日照り+水やりの時刻に水圧が最低)は、やる気を削がれるよ! そう文句を言い続けたら、ハリルが給水システムを買ってきた。もちろん、買ってきた部品を繋いだり穴を開けたり埋め込んだりして自分で設置するのだが(クミコが)、それを嫌々やってなんとかなったと思っていたら、今度は水が注がれて柔らかくなった木の根元を夜のあいだに犬が掘り下げたらしく、朝起きたら桑の木が倒れていた。「まだ続けるの? もう全部諦めていいかな(=世話を放棄)?」と聞いたら、ハリルは桑の木を立て直し、暴風で倒れかけている木々を紐でくくり直した。

なんだ、この紐システムは?

この夏、庭をいじってみたわたしが知ったことは、庭のほとんどの場所は、15cmも掘ると粘土質の土でガチガチになっているということだ。これでは根が呼吸できないので、ほとんどの植物は育たないんじゃないだろうか。表面にサブジを植えることくらいはできるかもしれないが、表面だと鶏が食べてしまうし、犬や猫が糞をするために土を掻いてしまう。しかし、あらゆる場所に雑草が1メートル以上の高さに茂っていたのは、一体どういうことなんだろう。それに、自然に生えた無花果の木があんなに大きくなったのはどういうわけだろう? まったくよく分からないが、来年は、この土地に自生するような植物を選んで育てればいいんじゃないかと考えている。


たとえばタラゴン。これは草取りをした場所に生えていたので、そのままにしておいたのだが、ものすごい香りがして、なんのハーブか調べた挙句、タラゴンじゃないかと思っている。ハリルもそうだと言った(が、これはあてにならない)。

綿花

たくさん蒔いた(捨てた)綿花の種から、いくつか芽が出てきた。これもこぼれ種から生えたのを見たことがあるので、育つと思ったのだ。しかしなかなか大きくならない。今は常時カゴを被せてあるので鶏に食べられていないけれど、それを取るとたちまちつまみ食いされてしまう。背丈がカゴより高くなったとき、そこで終わりかもしれない。

オシロイバナ

オシロイバナも、雑草の下に生えていたのを残したものだ。二株くらいは別の場所から移植して、成功した。鶏はここにはノータッチだが、水をやった後でそこで砂浴びをしているし、猫がトイレにしている。ときどき茎が折れているが、さすがオシロイバナ、すぐに新しい葉を出して盛りかえしている。


この花も雑草のように生えてくるもので、朝だけ花が開く。すてきなので、種を取って土に植えてみたのだが、まだ芽は出てこない。

名前が分からない砂漠の花。こういうのが庭に咲き乱れていたら楽しいだろう


これは日本のカボチャの種をまいて、二株だけ出てきたところ。今ようやく花が咲き始めたので、実がなるかどうかは怪しいところだ。
そして今日もわたしは果樹や草木に水をまくだろう。地元のブルーベリーがやたらに繁殖して、その実は鶏が食べるのにちょうどいいので、昨日からそれにも水やりを始めた。

子猫が増えた

先日、猫が1匹増えた。今年の春はチーちゃんとタイちゃんが合計7匹の子猫を産み、その彼らはだいぶ大きくなった。授乳の時期も終わり、チーちゃんタイちゃんは、餌がほしいとき以外は庭に姿を見せなくなった。一方、子猫7匹はほとんど庭の中にいて、昼寝しているか遊んでいるかだ。家の中からわたしが出ていくと、餌だと思って「ニャーッ!」と追いかけてくる。
その日も、子猫たちは餌場に向かうわたしを群れで追いかけてきた。その中に、見たことのない子猫が混じっていた。黒いトラ模様でお腹と足は白く、前足は白い靴下を履いたようだ。体も他の子猫たちよりだいぶ小さい。しかし不思議なのは、うちの猫の中に溶け込んでいて、当たり前のように餌場に走り、餌を食べ始めたことだ。


わたしが触ってもまったく逃げないし、他の猫にも近づいていく。クミシュテペの路地で会った猫で、触らせてくれた猫はこれまで一匹もなかったと思うので、人に飼われていた猫なんだろうか。この小ささで、どこからどうやってうちまで来たのだろう? いろいろと疑問が湧いてくる。1匹くらい増えたところで特に困らないけれど、彼女がメスだということはちょっと問題だ。


それから、彼女は右目がつぶれている。ケガをして瞼がくっついているだけかと思ったが、頭の形から判断すれば、目玉も失っているようだ。かわいそうに、何があったんだろうか。体のほかの箇所はきれいな猫なので、毛づくろいはできるようだ。


子猫は、犬を目の前にしたら少し緊張していた。しかし二日目にはもう、うちの犬が猫を襲わないということを理解して、安心したようだ。物怖じしないのは、生まれ持った性格なのかもしれない。

マイコウ

チーちゃんの息子である黄色い猫は、マイケルと名付けた。彼はわたしを見ると駆け寄ってきて、立っていれば足の甲に、座っていれば膝に乗って、喉を大きくグルグル鳴らし、昼寝をしようとする。降ろそうと思って体を押しても、しがみついている。次の冬は、彼を布団の中に入れるかもしれない。

レンク

頭の上に黄色い染みのような色がついたタイちゃんの娘には、レンクという名前をつけた。トルクメン語で「ペンキ」の意味がある。黄色いペンキが一滴、落ちたみたいだから。
マイケル、レンク、サーリジャ(小)。彼らは特徴があるから名前がついたけれど、残る4匹は同じ黒トラので、みな「ガラジャ(黒ちゃん)」だ。なにか個別の名前をつけたいけれど、その前にまだ見分けがつかない二匹がいるのだった。二匹は性格もそっくりで、しつこく鳴いてわたしの体によじ登り、手や足を噛み始める。座っていると、背中に抱きつく格好で両足を乗せてきて、まるで人間に飛び乗られたようだ。

one of the ガラジャ

 
玄関の中から盗撮

新しく来た子猫に対して、二日目はほかの子猫たちが反応し始めた。彼女のお尻を嗅いで、「シャーッ!(威嚇)」と言うのもあれば、すり寄ってくる彼女となかよくしているのもいる。いずれにしても、時間が経てばみんな仲間になるだろう。三日目の今日は、長旅の疲れが出たのか、子猫は温水器のそばで昏々と眠っている。

うちにたどり着いたなんて、幸運な猫だ。これから賑やかな毎日が待っているよ

発酵食品など

最近ハリルは、あるトルコ人女性のインスタグラムを見るのに夢中になっている。彼女はどこか地方に住んでいて、自家製の野菜などを使っていろいろな料理を作り、それらを販売しているようだ。昔ながらのやり方であらゆるものを作っているので、ハリルの興味をひくのだろう。彼自身は、料理のコツを祖母から教わったそうだ。
そして先週、そのうちの一つを試作していた。レシピは公開されていないものの、ハリルは彼女の書いた文章からそれを想像して作ったそうだ。それは、ヨーグルトで漬けたピクルスのようなものだった。しかし小さなガラス瓶に対するハリルの作業がワイルドすぎて、うまくいっているようには見えなかったので、今週は同じ材料でわたしが詰めてみると申し出た。


材料はスズメ(水切りヨーグルト)、ヨーグルト、牛乳、パプリカ、唐辛子、塩。ヨーグルトをさらに発酵させて、パプリカのピクルスにするようだ。ハリルはパプリカを半分に割って、そこにスズメを詰めたものを瓶に入れ、上からガシガシ押していた。わたしは最初からパプリカを四等分し、内側にスズメを塗って、ひとつひとつていねいに瓶に詰めていった。そうすれば、使うパプリカの量を増やすことができる。



3~4日後

今回は唐辛子と塩が足りなかったようで、マイルドな味になってしまった。来週は、それらの量を増やして再挑戦したい。しかしオリジナルの味が分からない料理ほど、作るのが難しいものはない。
毎週、夏野菜をたくさん買ってくるので、ラタトゥイユを頻繁に作る。夜の軽い食事に、これを温めてポーチドエッグを添えて食べている。





あいかわらずトマトソースのパスタもよく食べている。ほとんどベジタリアンになってきた。


最後に、チャルというラクダの発酵乳。夏はこれをよく飲む。近所にラクダを飼っている人がいるので、最初は彼から発酵乳を買ってくる。すべてを飲み切ってしまう前に、温めた牛乳を足して、温かいところに置いて発酵させたら、また冷やして飲む。ラクダの乳はかなり滋養があるようだが、そばにラクダがいない地域では手に入れるのは難しいだろう。味はうまく説明できないけれど、発酵乳なのでシュワシュワしている。ありがたいものを思って味わうので、おいしい気がするのだった。

ロミ夫と昼寝

サブジやサラダ

今週は、ひさしぶりにハーブ類をたくさん買ってきた。ハリルの血液検査をしたクリニックの先生が、コレステロールを下げるにはディルが効くと言ったそうだ。

手前はバジルとディル


ディルは刻んで冷凍しておいて、白米を炊くときに入れている。ポテトサラダを作ってもいいかもしれない。


コリアンダーは、にんにく、唐辛子、クミン、酢などを加えてペースト状にし、製氷皿を使って冷凍した。これはサラダやスープに入れると風味が出るので、重宝している。

トマトとコリアンダーのサラダ

それから、めずらしくオクラも買ってきた。オクラは何度か手に入れたことがあるけれど、食べる人があまりいないからか、比較的高価だそうだ。こどもの頃、刻んだオクラに鰹節を混ぜてしょうゆを垂らしたものが好きだった。なにが好きって、断面の星形がめずらしかったのだ。食感も好きだったと思う。さっと茹でたものを刻み、しょうゆを垂らしてハリルに出したら、喜んでいた。

これはトマトとオクラのサラダ。しょうゆ、砂糖、酢、ゴマをっ混ぜてしばらく漬けておく


世話を放棄したにもかかわらず、ミニトマトはときどき収穫できている。うちには市場で買ったトマトが大量にあるので、今日の収穫はすべて義母へ進呈した。まさか倒れた苗から採っているとは思わないだろう。

これは姪っ子へ。手抜きの巨大マフィン(笑)

網戸を作る

大工のワハブがいつまで経っても足りない網戸を作ってくれないので、自作することにした。足りないのは、風が吹いてくる西側にある洗面所の窓と、その反対の東側にある寝室の窓。この二つの窓に網戸をつければ、サロンに風が通り抜けて少し涼しくなると思っている。
寝室には、サロンとつながるドア、外に出るためのドア、天井に近いところにある窓と三つの出口があるにもかかわらず、蚊などの虫が入ってくるので開けることができなかった。当然暑すぎるので、今は二階で寝るようになっている。大きな窓のある二階の部屋は、風さえあれば快適に眠れるのだ。加えて、二階まで上がれない種類の虫もいるようなので、その点もよかった。しかしそれでも暑いときは、ハリルは3階のベランダに上って蚊帳を吊って寝ている。いくら涼しいとはいえ、夜のあいだにカスピ海から吹く風は体を冷やして危険なので、わたしはベランダには寝ない(寝相が悪いのでした)。

ワハブに発注した網戸。「日」という形で、空いている方の窓枠の溝に入れる

自作の網戸はどうするかというと、いつかトイレ用に作った網戸と同じく、ベニヤの切れ端で四角い枠を作り、それに網を張るだけ。薄いベニヤ板は厚さも幅も揃っていないけれど、夏のあいだはほぼ窓を開けっ放しなので、とにかく窓にはまって網が張ってあればいいのだ。

洗面所の窓。できました

長さを測って四つの板を切り出し、四角をなんと布テープで止め、網は接着剤でつけた。じつは最初、同じものを段ボールで作ったのだが、強度が弱すぎてヘロヘロになり、窓枠との隙間が空いてしまった。それで一段階まじめに作ってみたというわけ。

最初に作った網戸。カッター、セロテープ、接着剤だけで作った

木枠の網戸はだいぶよくなったが、のこぎり(上)がしょぼいので切るのが大変だった。次は、寝室の窓だ。


イランの窓は一方向にしか開かない、つまり、二面あるガラスのうち一面は固定されたままである。いつだったか窓の職人に「両側に開くようにできないの?」と注文をつけたら、「窓は一方は固定されるんだよ(そんなことも分からないのか)」と返されて無念だった。
寝室の網戸も同じようにベニヤを切り、布テープで止めた。こちらはお隣さんの植物が当たりそうなので少し強めの網を使ったのだが、それも布テープでベニヤに止めた。

左側が(常時)網戸をはめた状態

なんとか収まったように見えたけれど、窓枠とのあいだの隙が大きかったようなので、網の切れ端を押し込んでおいた。かなりいい加減な仕事だが、網を直接窓枠に接着剤で止めてしまうトルクメン仕事よりほんの少しましだろう。

よく見ると隙間があるが、蚊が入れないよう網を押し込んである

これで「とりあえず」一件落着。でも「自分で作れたからいいじゃないか」じゃなくて、ちゃんと網戸を買ってほしかった。廃材を拾って洗って乾かして、しょぼい網戸を作るのは本望じゃないよ。何度言っても踏み台も買ってくれないので、ついにそれまで自作してしまった。

危ないっつの!

フルーツマフィン

義母の家には、今は亡き義父が植えた大きな無花果の木があって、採っても採っても食べきれないくらいの実を毎年つけている。今年も熟してきたので採りに来いと言われていたものの、このところ、わたしは家を出ないことに決めているので諦めていた。しかし姪っ子のオグルグルがもいでくれるようで、牛乳を受け取りに行くハリルが無花果も持って帰ってくれる。そこで今日は、オグルグルにかわいいお菓子を焼いてお返しにしようと、やってみた。


てっぺんに無花果を乗せた小さなマフィンを焼こうと思いついたのだ。難しいことはせず、でもちょっと魅力的なものにしたかったので、おおむね成功か。試しにと思って焼いてみたけれど、これはこのままオグルグルにあげてしまおう。


アイシングをしてもっとかわいくしたいと思ったのだが、粉砂糖が手に入らないし、素朴な路線を保った方がいいかもしれない。24個のマフィン型はクミシュテペ用にと思って日本で買った。しかしオーブンの形が円形なので焼き具合にむらがあり、最後の方は最初に取り出したマフィンの残りが焦げ始めてそのにおいが立ち込める。どうしたものか、悩ましい問題だ。
ところで、どうしてわたしが外出しないことにしているかというと、歩いていて「チーニー」などと冷やかされることが絶えないのと、人にジロジロ見られることに耐えられなくなったからである。そんなことは以前から同じくあったが、なぜ今回また嫌になってしまったのだろう。気候のせいか、人が多く外に出ているために頻度が上がったからかもしれない。それと、何年ものあいだに親戚や色々な人との関係で嫌な思いをしたことが積み重なって、うんざりも限界を迎えたのだろう。とぼとぼ歩いているあいだに、あからさまに噂話をする人がいるし、たむろっている人たちの遠慮のない一斉の視線が耐えがたいのだ。最近では、たむろしている人たちの3メートルくらい手前からおもむろにそっぽを向いて(わたしが)、通り過ぎたら顔をまっすぐに戻す… というような具合だった。もちろん、外出時にサングラスは外したことがない。それで自転車を買ってくれるようハリルに頼んでいるのだが(自転車なら通り過ぎる時間が短くなる)、クミシュテペではそう簡単に手に入るものではないようで、未だに買えていない。昨日も、修理して用意してくれているのが一台見つかったとのことでハリルが見に行ったけれど、「試乗したらブレーキもないし、ボロすぎて機能していなかった」と帰ってきた。「ゴミでもかき集めてお金にしようとしている」とハリルは言っていた。
とにかく、無花果も諦めるくらい外を歩きたくないので、自転車は必要だ。手に入ったところで、乗って出かけたら「クミシュテペ初の女性自転車乗り」ということでさらなる視線を集めそうだが、疾風のごとく駆け抜けるつもりなので、そちらの方がましだろう。しかしその視線も憧れではなく、蔑み(女で外国人のくせに自転車に乗っている)または妬みなので、日本のみなさんはどうか誤解のないようお願いいたします。


Instagram にも写真を載せています!

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プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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