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砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   

最後の1羽

日本から戻ってきたら、本格的に世話をしてお小遣いを稼ごうと思っていたニワトリたち。戻ってみたら十数羽(半分くらい)が死んでいて、毎日10個集めていた卵は2~3個に減った。たくさん生まれた雛たちは、病気に罹って2~3週間のうちにほぼ全滅した。それはもう、驚くほど見事に死んでいった。そのたびに死骸を拾い、小さいものはそのまま、大きいものは解体して犬や猫にやった。おかげで、タロー&ジローは栄養がついただろう。


最後の数日は、家禽小屋から出して中途半端な鶏小屋に移したため、猫に狩られていなくなった雛が続出した。いずれは病気を発症して死んだだろうから結果は同じなのだが、なんとも残酷な結末だった。

チーちゃんに教わって雛を狩った子猫たち

しかし今日の時点で1羽だけ、生き残っている雛がいる。これだけは生き延びて、大きくなる…という奇跡を信じたいが、その姿はどうも精彩を欠いている。これも感染しているのかもしれない。


大きなニワトリたちからはいじめられ、一人ぼっちでさみしそうだ。あまりに憐れなので特別に気にかけていたら、わたしの手から餌をつつくようになった。夜は一人でどこかに隠れて寝ているようだ。朝になって、「死んでしまったかなあ」と思っているところにこれがひょっこり現われると、さすがにうれしくなる。
庭のあらゆるところで卵を温めているニワトリはまだ8羽もいて、少しずつ雛が生まれているようだ。ニワトリはもう終わりにしようとハリルも言っていたのでそうしたいけれど、生まれるものはどうしようもない。無事に育つよう、また世話をするしかなさそうだ。

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ラタトゥイユとサラダ・オリヴィエ

クミシュテペは5月に入ると、連日30℃以上の夏のような天気が始まる。半年くらいこの気候が続いて雨が降らないので、あらゆるものが乾燥していかにも砂漠らしくなる。
今年うちは冬のあいだの雨水の保存に失敗してしまい、秋まで雨は降らないだろうから、頭が痛い。雨水がないと、水道水を飲まなくてはならないのだが、この水道水が見るからにおいしくなさそうな、白い水なのだ。ポリタンクに汲み置いて、一日経ってから沸騰させて使っても、表面に浮いているなにかが気になって仕方がない。当然、お茶の味もなにもあったもんじゃない。料理もいまひとつする気がおきない。と、これは言い訳か?
ポテトサラダと野菜の煮込みを作った。


ポテトサラダの材料はじゃがいも、ゆで卵、茹でた鶏肉、きゅうりのピクルスなどを塩こしょうで味つけして、マヨネーズで和える。これはイラン風の作り方で「サラダ・オリヴィエ」と言う。

粉ふきいもにして
酢と塩こしょうをしてからすべての材料を入れ、マヨで和える。できあがり
パンは暑すぎるためか、発酵がうまくいかない!
それから夏野菜ばかりたくさんあるので、ラタトゥイユという煮込みも作った。

にんにくとたまねぎをよく揚げて、オレガノも加える
トマトを加えて煮たあと、軽く揚げた夏野菜を次々と投入、軽く煮込んでできあがり。ラタトゥイユなのに、鶏だんごを加えてパワーアップ!



サチャック


さて、これは何でしょう?


正解は、パンを包んで保管しておくための布でした。トルクメニスタンからのお客さんにお土産でいただいたものだが、ラクダの毛で織ってあるので、アリなどがつかないとのこと。クミシュテペでは家の中をアリが歩いていることはアリがちだが、トルクメンの住む砂漠一帯でも似たような生活なのだろう。わたしは食べかけのパンはすぐに冷凍してしまうか、放っておいて固くなったら動物の餌にするかしていたけれど、しばらくこれに包んで保管してみようと思う。トルクメンはパンを直接テーブルクロスに置くし、直接布を巻いて保管する。うちでは竹のカゴに入れて食卓に出すことが多いので、カゴごと包んでしまえばよさそうだ。


色味もすてきなこの布は、テーブルクロスと同じくサチャックと言う。綿のテーブルクロスを巻いてパンを保管するのも一般的だ。

ホルジュンのお直し

日本に行く前に買ったホルジュンが、ほつれてきたので直してほしいとハリルが言っていた。ホルジュンとは、バイクの後部座席に掛けて使う荷物入れのこと。キリムを織って作る民芸品だ。

美しいキティは健在です
細長いキリムの両端を折り返して縫い、飾り紐をつけた構造になっている。白黒の飾り紐が緩んできたと同時に、袋の端が解けてきたので、思い切ってすべて解いて縫い直した。


子猫を必死で舐めるサーリジャ。猫が舐めるときは、相手に「あっち行け」という意味のようだ


作業中ずっと昼寝をしていた子猫。ホルジュンを動かしても起きなかった


飾り紐もしっかり縫いつけてできあがり。これでしばらくは壊れず使えるだろう。キリムはしっかり織ってあるのに、やはり詰め
の甘い、トルクメンの仕事なのだった。
 

雛の運命

ニワトリの雛の飼育は、悪いシナリオを辿っている。朝、小屋に行ったら7羽も死んでいたので、ガックリしながら作業をしていた。あいかわらず雛たちは重なり合っているので、止まり木を作ってみたり、たまねぎを刻んでやってみたり…。そんなことをしていたら、ハリルが出張から戻って来た。そして事情を説明するまでもなく、彼は雛たちをぐるりと見まわして、「これは病気だ。見ればわかる」と言ったのだった。
なんでも、強いウィルスに侵されて死ぬことが多く、クミシュテペでのニワトリの飼育は難しいのだそうだ。たしかに、雛たちは体温が異常に高く、それで寒気がして重なり合っているのかもしれない。これらの雛はいずれ全部死ぬ… というようなことをハリルは言っている。わたしのおこづかいはどうなってしまうのか? いや、それより数十羽もいる雛たちは、本当にみんな死んでしまうのだろうか?
それからハリルの取った行動は、ある意味不可解だった。二階にある小屋から雛をすべて出して、庭にある作りかけの鶏小屋に移したのだ。そちらの方が面積が広いし、外気に触れることになるのだが、なにしろ作りかけで壁の上の方や天井が開いたままなので、猫が入ったら簡単に狩られてしまうだろう。すでに子猫たちは相当な集中力で、小屋の中の雛を見つめている。夕方になるまでは見張っていたので雛は無事だったが、夜中や明日以降に襲われるのは明らかだ。しかし他にどうすればいいかという案もわたしにはないので、もうなるようになれという心境だ。

こうやってかたまってしまう

雛の様子と桑の実

昨日手当てをしたニワトリの雛は、朝はまだかろうじて生きていた。しかし目をつぶってほとんど死にそうな状態だったので、体を布で包み、温かくして外に出しておいた。せめて静かに、息を引き取らせたいと思ったのだった。
だが、死んで冷たくなったら、今度はそのボディを犬か猫にやってしまう。大きめの雛だったので子犬のタローに渡したら、頭からガブガブと食べていた。小さな雛ならば、子猫が一所懸命食べるだろう。残酷なようだが、世界はそうなっている。
それから昼には、小さな雛がもう一羽死んでいた。緑の草をやらないことで、これ以上の死を防げるかと期待したが、そう簡単にはいかなかったようだ。夕方には一羽も死んでいなかったので、草をやらずにもう少し様子を見るしかない。小さな雛が死んでしまう原因としては、ニワトリたちは身をくっつけて塊(集団)になる習性があって、そのときにほかの雛の下敷きになって圧死してしまうということもありそうだ。そればかりは、ニワトリがくっつかなくて済むように、室温を下げないように気をつけるしかない。
さて、話は変わる。ハリルが植えた果樹の苗に水をやっていて気がついたのだが、桑の木にいくつも実がなっていた。まだ葉もそれほど生えていないというのに、よく見たら桑の実がぶら下がっている。


そして葉がたくさん生えている根元を確認すると、なんと赤い実や熟して黒くなった実もついていた。


このあいだ地面に木を挿したばかりなのに、もう実が食べられるとは! 一気に楽しくなってきた。

ひょろっと長い桑の木。左に曲がっているのは支柱にしている竹、もういらないね


ニワトリの世話

わたしはどうもニワトリ、ウズラ、七面鳥が好きになれないでいる。尖っている嘴で手などを突かれるのが恐ろしいし、バタバタと音を立てて羽ばたかせるしぐさもぞっとする。しかし今回日本から戻ったら、ニワトリの雛を育てて売ったり、卵を売ろうと決めていた。自宅に牛がいなくなり、酪農の作業から遠さかったので、そろそろ体を使う仕事を増やしてもいいかと思ったのだ。それにもちろん、これでおこづかいを得ようと目論んでいる。
ハリルが出張に行ったので、朝から晩までひとりでニワトリの世話を始めた。成長したニワトリたちは半分以上が死んでしまっていて、7~8羽が庭で自由にしている。じっと座って卵を温めているのが6~7羽いる。その他は、離れの家禽小屋の二階にこの春産まれた雛を囲っている。卵から孵った時期がまちまちなので、大きさも不揃いだが、今のところうまく共生しているようだ。


ここには一日3回ほど、餌と水を換えに行く。しかしこの数日、見に行く度に一羽死んでいるので、心配している。原因はまったく分からなかったのだが、今日はそのきっかけのようなものを掴んだところだ。わたしの推測に過ぎないが、毎朝庭で摘んでやっている新鮮な草に当たって、弱って死んでいるんじゃないかと思っている。今日具合が悪くなった比較的大きな雛を観察していたら、体が冷たくなって足が弱っていた。急いで隔離して温かくしてやったら、少し回復した。そして水を飲むようになったのだが、飲んだあとに糞をした。それが緑色だったのだ。それで、草を食べ過ぎて、あるいはそこになんらかの毒が入っていて具合が悪くなった可能性を思った。
水を飲んだり糞をしたりすれば、少しはよくなるかと思ったので、日のあたるところに寝かせておき、しばらくして戻ったら、その雛にほかの雛が馬乗りになっていた。まったくニワトリってやつは、弱い者を見つけると皆でそれを踏みつける習性があるようだ。そしてもちろん、弱い雛はそれらの圧でさらに弱り、死んでしまうこともしばしばある。また急いで布を敷いた大きな器に隔離して、上には網戸を立てかけておいた。この雛は今夜が峠だろう。明日の朝、小屋を見に行くのが楽しみのような、怖いような。
そして明日からは、庭の草をやるのはしばらくやめてみるつもりだ。

プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

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