忍者ブログ

砂漠人5

トルクメンサハラの暮らし

   


鶏。今年はこれに夢中になっている。「夢中になる」というのは正確な表現ではないだろう。翻弄されている、が近いかもしれない。それは、真剣に鶏の世話をして小遣いを稼ごうと決心したからだが、具体的な成果はまだ見えてこない。
昨日はめんどりを一羽、死なせてしまった。午前中、なんだか弱っているな、と思って様子を見ていたら、午後には死んでしまった。すべての鶏が順調に過ごしていたので、非常に残念だ。どうして死んだのか分からないので、開腹してなにかヒントを掴もうと思った。そうしたら体の中で卵が割れて、熱で固まっていた。まったく、失敗した目玉焼きのようだった。心臓や肝臓などの臓器はとてもきれいで、そういった病気には見えなかった。また肉も非常にきれいな色をしていたし、羽並みもつやつやしていたのだ。ひょっとすると、大麦を食べ過ぎたのが原因かもしれない。夏場は大麦をやり過ぎると消化できずに死ぬと、ハリルから聞いてはいたものの、聞くと見るとは大違いだ。意味がよく分かった。もちろん、これで死因が特定されたわけではないのだが、大麦に関しては今日から与える頻度を変えようと思っている。大麦をやると、卵を産みやすいのも確かなので、やめてしまうわけにもいかないのだが。

 
先日は、ミニトマトを初収穫した。しかしその直後、色づき始めた実を中心に、トマトの苗が鶏によってだいぶ荒らされてしまった。そこでさらに網をかけたりして躍起になっていたのだが、寝る前によくよく考えて、ある一つの結論を見出した。
夏のあいだに済ませておくべき用事がたくさんある。内装工事が終わってそのままになっている二階の掃除、庭の整備、鶏小屋の建設などだ。毎日少しずつ作業しているものの、その効率はあまりよくない。あらゆる作業に使う道具がしょぼいということもあるし、作業状況が不便ということもある。読む人がうんざりするので細かいことは割愛するとして、これではいろいろなことが成し遂げられないまま、夏が終わってしまう恐れがある。本当に大事なことは、何なのか。
それは、鶏だ。それ以外のトマト栽培やら花壇づくりなどは、鶏を小屋に収めたとしても、犬や猫がたくさんいるうちの庭では、永遠に無理だろう。そんなことは、やめてしまえばいいのだ。大きな庭全体を、鶏小屋にして、雛を囲うのは離れの家にすれば、何十羽飼っても問題ないだろう。離れの家はこれまでも「家禽小屋」と呼んできたけれど、いつかはきれいにして自分の工房にしようと考えていた。しかし工房は、余っていて物置になりそうな寝室を使えば十分だ。実現しそうもないこと、または実現が困難なことをいつまでも仮定しているより、できることを実現していくことが大事なのだ~! …ゼェゼェ。

庭全体。奥の白い建物が家禽小屋

必死に守ってきたトマトの苗。限界です

もうトマトを覆っているブツは取り去り、庭に生えている雑草も刈り込むだけにして、鶏に食べさせよう。そして数を増やして、儲け…
いやいや。儲けるためには、鶏に関する知識と経験が足りなすぎる。昨日も一羽死なせたところだし、今朝もいま孵ろうとしている雛をまちがえて殺したし、皮算用はまだ早い。

家禽小屋に入ったところ

左奥に、生まれたての雛を入れる箱を置くつもり

16羽の雛たちは平均してウズラほどの大きさになり、50cmくらいの高さまでは飛べるようになっている。棒を渡して止まり木も作ってやった。もう少し大きくなり、羽が生えそろったら、いよいよ庭に出ていくことになる。



PR

排水溝の工事

家の前の排水溝(地下)の設置は、いつからうちの話題に上がっていたかと過去のブログを検索したら、二年半前に「もう二年以上待っている」と書いてあった。ということは、四年半? 排水溝がないまま暮らしているのだった。家の中で使った水は排水管を通って家の前に流れ出る。しかしその水が垂れ流し、ということだ。二年半前にシャベルカーで溝を掘ってくれたので、水が地面より低い位置に流れてくれるのはいいけれど、その深い溝が家の前にあるままなので、不便で仕方がない。二年半もそうやって生活しているので、たいして不便じゃないとも言えるけれども。
先日、また工事が始まった。ある朝突然、キャタピラーが来て、道路を平らにし始めた。しかも家の前の通り、三軒分をすべて平らにしていった。そしてシャベルを持って溝を掘る人が半日働いて、通りの半分くらいまで作業を終えていった。ただ、そのくらいなら、過去にも何度も同じことが起きている。これで工事が終わると思うのは、まだまだ甘い。
しかしである。今回は通りの始め、お隣さんの家の前に排水溝のコンクリートが敷かれているのが見える。敷き始めたようだ。さすがにコンクリートにはお金がかかっているので、放置することはないだろう。ダンプカーで砂利も三山運ばれてきて、なんと溝に敷かれ始めた。今回こそは、排水溝が設置されるのだろうか。

7月3日

7月12日、突然の工事開始(何度目?)

7月15日

結論。クミシュテペ在住5年のベテランとしては、今回の排水溝設置に関しては、今のところ半信半疑である。このまま頓挫したとしても、まったく驚きません。


家の前の通りの未作業の部分。このお隣さんはおとなしくないので、ここだけ工事が放置されたらコミュニティにガンガン抗議に行くだろう。しかし砂利の山も置いてあるので、この部分も近いうちに作業がされるような気もする。
これはうちの敷地を出て左に曲がったところなのだが、この通りを突き当たったところに大きめの水路が流れていて、それがカスピ海(向かって右方向)につながっている。この水路には羊や犬の死骸が浮いていたり、人々がなんでも放り投げていく、つまりゴミ捨て場なので、それらがすべてカスピ海へ流れ出ていくというわけだ。汚染をなんとかするようになるのは、まだまだ先の話だろう。でも水路にはカエルや野鳥がたくさん棲んでいるので、想像するほど化学物質による汚染はないのかもしれない。

雨は降ったが

果たして、二日連続で雨は降った。しかし結論から言うと、飲み水としての雨水を溜めることはできなかった。一日目は10分ほどの強雨。二日目は一日中しとしとと降りつづく静かな雨だったのだが、よほど屋根が汚れていたのだろう。いつまで経っても水が透明にならなかったのだ。

試しにドラム缶に溜めてみる

この黒い水よりは白い水(水道水)の方がましだろう…

何ヶ月も雨が降らなかったので、当然といえば当然だ。大気中にも砂や埃が舞っているだろうし、今回の雨量では大きな屋根も洗いきれなかったのだろう。
しかし望みをかけて最善を尽くしたので、諦めがついた。いずれにしても3~4ヶ月後には降るだろうし、今年の夏は水道水を飲んで過ごすしかない。
ところでこの春に生まれた子猫たちにとっては、雨は初めての体験だった。ザーッと降りだしたとき、多くはパニックに陥ったようだ。走って大きな猫のあとを追ったのはいたかどうか。わたしが見ていた数匹は、地面にうずくまって丸くなり、雨に打たれるがままになっていた。子犬たちは、ジャポンやバグティが牛小屋に逃げていくのを真似していたので、安全な場所を見つけるのに時間はかからなかったようだ。子猫たちは、屋根の存在をこれから意識することになるだろう。

二日目の静かな雨のときは、玄関の横に集まっていた

それにしても、今回の雨でクミシュテペ全体がきれいに掃除されて、さっぱりした感じだ。うちの庭も、緑に降り積もった砂が洗われたし、イチジクの木もきれいになった気がする。庭の一角に撒いて(捨てて)おいた綿花は、芽が出てきたようだ。開花まで無事に育つかどうか怪しいものだが、花壇になってくれるとうれしいので、気をつけて見守ろうと思う。

地下水槽

今年の冬は、雨水の保存に失敗したことを以前にちらっと書いた。クミシュテペでは夏のあいだはまず雨が降らない上に、夏が半年くらい続くので、冬のあいだに雨水を溜めておくべきなのだ。厳密には、その半年のあいだに春~夏~秋と季節が移り変わっているそうなのだが、気温が30~40度の猛烈な日照りが続く日々を、わたしは一括りにして「夏」と捉えることしかできていない。
雨水は、飲み水として使っている。うちには家の前に地下水槽が設置してあり、そこに屋根からつたう排水管を通して水を溜めるしくみになっている。地下水槽は、2×7メートルくらいの面積で、深さは2メートルくらいある。



手動でパイプを動かして、どちらの水槽に入れるかを決める

水槽は、1:2ほどの割合で二つに分かれている。小さい方に雨水を溜めて飲み水とし、大きい方には水道水を溜めて、そこから台所や浴室の水道にモーターを使って引いている。家の中に水道は通っているけれど、断水のときに困らないためにそうしているのだ。実際、断水はかなり頻繁にあるので、多くの家が屋外に水槽を置いている。ただし、うちのように大きな地下水槽がある家は多くないような印象だ。たいていは庭に設置するタイプの水槽を使っているし、飲み水は水道水ということが多い。水道水は飲めるのだが、カルキだと思われる白い粉が入っているので、うちでは飲んだことがなかった。しかし雨水がない今年の夏は、仕方なしにそれを煮沸して飲んでいる。気分は悪いけれど、味は見た目ほどの問題はない。
しかしお茶を煎れると一発で分かる。雨水で煎れたお茶の味は、水道水とはまったく別なのだ。ダメとは分かっていても、雨が降らないかと毎日天気予報をチェックしてしまう。嵐が来るという予報を見ては喜び、数日後にその予想は消え… などということを繰り返して、今週は二日連続で少量の雨という予報がある。急いで水槽に溜めていた水を掻き出し、雨水様を待つ準備をした。水槽はコンクリートでできているので、水を入れずに長いあいだ放っておくと、ひびが入ってしまうそうだ。それで少しだけ水道水を入れておいた。掻き出すと言ってもこれは地下水槽なので、地下に降りていって作業しなければならない。はしごはないので、特別な道具を使って、ハリルのサポートのもとにわたしが降りる。


これが雨水用水槽の入り口。50センチ四方くらいだろうか。水槽の深さは2メートルくらいなので、背の高い甥っ子は自分の腕と足だけを使ってひょいと降りて、ひょいと上がってくるそうだ。さすがにわたしにはそれはできないので、ハリル考案のこれを使う。


紐と紐のあいだに両足を乗せて、紐を持ってそろそろと下降する。そのあいだ、水槽の外でハリルが紐をがっしりと持って、引っ張っている。初めてやったときは、あまりの恐怖に時間がかかったけれど、水槽がそれほど深くないことや、残り水の中に変な生き物はいないと分かってからは、下降にかかる時間は一瞬となった。


地下への入り口。雨水(飲み水)を汲み出すときは、この入り口から紐をつけたバケツを使って汲み上げる。水槽を空にしたら壁や床を掃除して、塩をふって消毒し、地上に戻ってくる。掃除はほうきとちり取り、バケツを使ってし、汲み出すバケツの水は地上からロープでハリルが引き上げる。

塩はこの一袋を壁や床に撒く

天気予報は、明日とあさってに少量の雨が降る確率があると言っている。神が許す限り、降っていただきたい。

イチジクの木

何年か前、隣の家と接する壁際にイチジクが生えてきた。どこからか種が飛んできたのか、うまいこと育った。しかし背が高くなるに連れて「このままだと壁や排水管が割れるな」と予想できたので、残念ながら根こそぎ切ったのだった。
しかし根は生きていたのだろう。しばらくすると、その木は壁を超えたお隣さん側にニョキニョキと育っていた。ちょうど牛小屋の後ろの空間に生えたので、隣の家は放っておいたのだと思う。それが何年も経った今は、巨木となってしまった。


ご覧のとおり、イチジクの木はお隣さんのものだ。壁を超えてうちの庭にも枝がかかっているので、その枝についた実はうちで食べていいはずだ。しかし問題は、壁である。


明らかに木の成長する圧力で、ひびが入ってきた。放っておいたら壁が崩壊するだろう。ハリルに頼んでお隣さんに言ってもらったら、予想どおりの返答だったのだが。つまり、

ハ:「イチジクの木が大きくなりすぎて、壁が壊れそうだよ」
隣:「あんたんちから来たものだろ」
ハ:「うちは切ったよ。お宅も切ってくれよ」
隣:「うちは植えていないぜ」

こういったやりとり。「壁が壊れちゃうよ、どうする?」とハリルの顔を見たら、「壁は壊れたらいいさ、イチジクを食べよう」などと言っている。




実はたくさんなっている。こうなったら、お隣さんの分まで採って(盗って)食べようと思う。お隣さんは家畜を飼っていてよく出入りするので、彼らが昼寝をする時間帯を今から探っておこうっと。

トマトとにんにくのパスタ

実際、うちはトマトを栽培する必要はないとわたしは思っている。なぜなら、いつもトマトを大量に買っているからだ。


これは、今週買った20キロのうちのほんの一部。鍋いっぱいのトマトソースを作った。カプリチョーザでよく食べていた、「トマトとにんにくのスパゲティ」のためのソースだ。

にんにくもたくさん揚げた


5リットルの鍋がいっぱいに。これで一週間はもつかと思いきや、二人分の軽めのランチが4回分しかなかった。今日食べたので、冷凍の作り置きはたったの3回分だ。

チーズもたくさんすって冷凍


毎日これほどトマトを食べている人は、世界中探してもなかなか見つからないと思うのだが、どうだろう?

トマト畑

今年も、ミニトマトがあちこちに生えてきた。こぼれた種が運よく発芽して、育ったようだ。最初はそれらを植え替えて、一ヶ所にトマト畑を作ろうと思ったのだが、結局は三ヶ所ほど、生えてきた場所でそのまま大きくしようとしている。
庭に牛や羊はいなくなったものの、まだ子犬や猫、鶏がいるので、トマトのような背の低い植物を育てるのは難しそうだ。今のところ、オリジナルの支柱と鶏除けでなんとか対応している。


家禽小屋の前の牛糞を積んでいた場所に、トマトや地元のベリーが生えてきた(ベリーは鶏が食べるものだとハリルが言っている)。竹の棒が乱立しているあたりに4株ほど、トマトがある。


苗をカゴでブロックする前は、鶏がトマトの根元を掘り起こしたり(なぜだろう?)、枝を折ったりしていたが、今は少しマシになった。手前の苗は、根元から掘り出されてしまい、逆さまになって白い根っこが見えていたのだが、すぐに植え直したのでなんとか復活しそうだ。それにしても、トマトはよほど丈夫な植物なのだろう。こんな状況でもちゃんと実をつけている。


これは、トマトの脇に生えてきたカボチャ。種をばらまいたままで水やりをしなかったのに、二つだけ芽が出てきた。しかし一つはトマトの根元に生えたので、鶏が食べてしまった。


おととしだったか、畑を失敗したコンクリ塀の中にも4株、トマトが生えている。この囲いの中は、土の下もコンクリなので、土をもっとたくさん盛らないと植物は育たないだろう。トマトの下も5センチくらいしかなかったので、土を足しておいた。



こちらもオリジナルの支えを施した。あまりにしょぼいトマト畑ですみません。しかし今年は、プチトマトらしい果実の房がついている上に、昨日初めてそれが赤くなってきた。

これは収穫できるでしょう!

オリーブの実も、落ちることなく成長している。たくさんある木の中でたった1本しか実がつかなかったが、その1本にはけっこうな数がぶら下がっている。



しかしこの小さい粒はオリーブの実になるんだろうか? 直感的には、大きいものが収穫できて、小さいのはこのままのような気がする。そうだとすると、収穫量はかなり少ないだろう。
貧相なトマト畑でも、今年は適度に世話をして満足していたのだが、昨日ひょんなことからお向かいさんの庭を覗いたら、大きなミニトマト(笑)の苗がワイルドにわんさか生えていて、赤い実がいくつもなっていた。なんだか急に残念な気持ちが湧いてきた…。そういう運命なのか? それでもめげずに、わたしは自然発生農園を続けよう。

庭の真ん中、オリーブの陰にも生えていたトマト

最新記事

(08/22)
(08/21)
(08/19)
(08/17)
(08/16)

プロフィール

イランのトルクメンサハラに移住した日本人クミコです。中央アジアの少数民族トルクメンの夫と、その家族や動物との日常を綴ります。
2006年にスウェーデンで始めたこのブログは、4回引越をして今に至りました。過去のサイトはリンクより閲覧できます。

連絡先:sabakujin at gmail dot com

P R

Copyright ©  -- 砂漠人5 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]